歌手入山アキ子(53)が18日、都内で15周年記念曲「一泊二日」(19日発売)の発表会を行った。

記念曲は、道ならぬ恋の2人が初めて一泊二日の逢瀬(おうせ)を経験する心情を歌う。作詞は久仁京介氏、作曲は四方章人氏。「南部蝉しぐれ」(福田こうへい)のヒットなどで知られるコンビである。2人とも入山に楽曲を提供するのは初めてだが、入山のしっとりとした歌唱を引き出す作品に仕上がった。

入山は08年に迫力ある演歌「ザンザ岬」でメジャーデビューした。近年は「悪女の季節」などポップス調の悪女シリーズで存在感を示した。前作「人生七曲り」はキャンディーズの「年下の男の子」や「春一番」などで知られる穂口雄右氏の作詞作曲だった。記念曲はガラッと趣を変えた本格演歌である。入山は「新しい挑戦の曲です。(不倫のドラマなどが多い)昼ドラのように楽しんでほしいです」と話した。

「一泊二日」のタイトルも斬新だが、歌詞が秀逸だ。宿に向かう道中の、人目を気にする心情。一泊二日という“冒険”を「火を踏む思い」と表現した。口紅はつけてもすぐ落ちる、という歌詞が、燃え上がる一夜を見事に想像させる。そして、しっとりとしたメロディーに引き込まれる。作詞の久仁氏は「入山さんは透明感のある、すがすがしい声をしている。それなのに、ふらちな歌と思われるかもしれないが、(歌の)中身はきれいなんです。それを入山さんに歌ってほしかった」と話した。

作曲の四方氏は「入山さんは礼儀正しくて、話をしていてさわやかで嫌みがない。そのやさしさ、しっとり感で、聴いた後にさわやかさが心に残る歌にしたかった」と話した。

入山は国家公務員である防衛省技官(看護師)から、歌手に転身した。どうしても“歌うナイチンゲール”という肩書が付いてまわった。悪女シリーズでの変身は、そんなイメージからの脱却もあった。「(看護師という経歴から)私は色気とかに、よろいをつけていた部分もあったかもしれません。記念曲はそのよろいも脱ぎ去って歌っていきたいです」。

発表会では記念曲だけでなく「北の旅人」(石原裕次郎)なども披露した。入山にとって、新曲発表会というイベントはコロナ禍もあったが、この日が初めてだった。「15年かけて、ここにたどり着かせていただきました。もう少し大きな花を咲かせたいと思います。『一泊二日』ですから、イチ、ニ、イチ、ニでやって行きたいと思います」と誓っていた。【笹森文彦】