歌手舟木一夫(77)が、芸能生活60周年記念「舟木一夫ロングコンサートin新橋演舞場」(10~21日)の開催を前に9日、同所で会見した。今年は60周年イヤーで、1月の東京国際フォーラムでのコンサートを皮切りに27カ所で30公演を開催してきた。

舟木は「あっという間の60年でしたね。あと3日で78歳になるんです。好きな歌を歌っていたら60年たってしまったという感じです」と話した。

今回の公演は10日間もあるため、3日間ごとに構成を変え、千秋楽を含めて4パターンを用意したという。「全部で320~330曲を歌います。ずっと同じ構成というのもあるんでしょうが、あえて自分に負荷をかけることにしました。60歳を過ぎてからでは、自分では最悪なんですが、最強のコンサートみたいな、そんな感じです。あと2年で80歳なんですが、これができれば、80歳でも現役というのが見えるかな、なんて思っています」。

舟木は63年に「高校三年生」でデビューした。橋幸夫、西郷輝彦さんとともにご三家と呼ばれ、一斉を風靡(ふうび)した。その仲間の西郷さんは今年2月に亡くなり、橋も歌手引退を表明している。

舟木は「やはり、今年は輝さんが旅だったというのがきつかった。橋さんもそうだし、僕だけが残ってしまった。でも、輝さんが亡くなった後、ちょっとステージに立つ心持ちが変わってきました。自分がステージで立てるうれしさ、ありがたさを感じるようになりました。共に歌い続けているような感じですね」。

この日、4年ぶりのシングル「湖愁」を発売した。舟木が歌手として見いだされるきっかけとなった歌手松島アキラ(78)のヒット曲をカバーする。舟木は「単純にね。昭和の歌い手が、昭和の歌を歌い、昭和のお客さまに楽しんでいただく。それが一番いいなと思います。僕も平成で生まれた音楽にはやっぱついていけないところもあるし」。

舟木の歌手生活はまだまだ続く。