清野菜名(28)が3作品で助演女優賞を受賞し「信じられない。感じたことのない感情になりました」と喜びをかみしめた。
アクション女優の地位を確立していても「キングダム2 遥かなる大地へ」(佐藤信介監督)の羌瘣(キョウカイ)役には覚悟が必要だった。「人間離れした強い役を実写で表現できるか不安もあって。人気キャラにプレッシャーもありました」。アクションに半年近く歳月を費やした。「基礎練習から羌瘣の筋肉作りをしました。1回見ただけじゃコピーできない動きを少しずつ自分のものにした」と振り返った。
「異動辞令は音楽隊!」(内田英治監督)では警察音楽隊と交通課を両立するシングルマザーを演じた。自身も今年3月、生田斗真(38)との第1子を出産。「子供がいるといないで見方はちょっと違う。意外と、もっと人間として接しても良いんだなと感じます」。仕事と育児の両立にも悩む役を通じ「両立するからこその生きづらさは、自分でもわかりました」と母の顔ものぞかせた。
「ある男」(石川慶監督)では豪華俳優陣と共演。物語の鍵を握る役で「こんなに涙があふれるのか」と不思議な感覚に襲われた。「短い撮影でしたけど、今までになかった感じがして幸せな時間でした」。
得意のアクションからシリアスな演技まで「どの作品も全く違う役で、自分にとって挑戦できた1年でした」。2年後には30代。「ハリウッドにアクションで行きたいので、英語をもっと勉強してオーディションも受けたいです」と力を込めた。【加藤理沙】
◆選考経過・助演女優賞 「本物でやりたいという思い、限界近いところまでアクションをやり、海外の人たちにも面白いと思われる作品だと思う」(伊藤さとり氏)などと評され、「キングダム2」での清野への支持が強く、1回の投票で過半数獲得。
◆清野菜名(せいの・なな)1994年(平6)10月14日、愛知県生まれ。07年モデルデビュー。14年の映画「TOKYO TRIBE」(園子温監督)出演で話題を呼び、15年「東京無国籍少女」(押井守監督)で映画初主演。ドラマは日本テレビ系「今日から俺は!!」(18年)など。160センチ、血液型B。
◆キングダム2 遥かなる大地へ 紀元前の春秋戦国時代、政が王座奪還を果たして半年、隣国・魏の大軍が侵攻してくる。本格的な戦は初陣の信(山崎賢人)は秦軍の末端歩兵ユニット伍のメンバー、高い身体スキルを持つ羌瘣(キョウカイ=清野)らと、一歩兵として軍に加わり、決戦に向かう。
◆異動辞令は音楽隊! 犯罪捜査一筋30年の鬼刑事・成瀬司(阿部寛)が、突然警察音楽隊へ異動を命じられる。失意の中、子育てをしながら交通課とトランペットを掛け持ちする来島春子(清野)ら音楽隊と新しいステージで輝きを取り戻す。
◆ある男 弁護士の城戸(妻夫木聡)は亡くなった大祐の妻里枝(安藤サクラ)から身元調査を受ける。大祐の兄が遺影を見て「大祐じゃないです」と告げ別人と判明。正体を追う中で、本物の大祐の元恋人、後藤美涼(清野)過去を知る茜(河合)らを手掛かりに真実にたどり着く。
昨年「護られなかった者たちへ」で助演女優賞を受賞した清原果耶(20) 清野菜名さん、このたびは助演女優賞のご受賞まことにおめでとうございます。いつもさまざまな作品で、ご活躍を拝見させていただいております。私も映画に携わる1人の役者として、清野さんの心引かれるお芝居についていけるよう、これからも日々精進して参りたいと思います。またいつか作品の中でご一緒させていただける機会があることを心から願っております。