王室や家族を攻撃する暴露で物議を醸す回顧録「スペア」が爆発ヒットしている英国のヘンリー王子(38)が、世界で最も権威のある音楽賞の1つグラミー賞を受賞する可能性が浮上していると米ニューズウィーク誌が報じた。ヘンリー王子が今月10日に出版した「スペア」は、その内容の一部が事前にメディアにリークされたにも関わらず、史上最速で売れたノンフィクション本としてギネス世界記録に認定された。「スペア」は書籍とデジタル版に加え、王子自らの肉声で録音した15時間に及ぶオーディオブックもリリースしている。

このオーディオブックは、かつて2冊の自伝で06年と08年にオバマ元大統領も受賞している、優れたオーディオブックやナレーションに与えられる「最優秀スポークン・ワード賞(朗読アルバム賞)」のノミネート資格があり、24年のグラミー賞に選ばれるチャンスがあるという。

王子の落ち着いた声での朗読は評判が良く、ダイアナ元妃の死後10周年を記念したコンサートに関する記述で登場する英歌手エルトン・ジョンの楽曲「ユア・ソング」の一節を歌っていることでも話題になっている。

英デイリー・メール紙も、妻のメーガン妃は王子のオーディオブックがグラミー賞の候補となるのは確実だと考えており、同賞を獲得してオバマ氏と並ぶ立場になることを狙っていると伝えている。報道によると歌声を披露しようと考えたのはメーガン妃ではなく王子自身で、かなり乗り気だったという。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)