「ある男」が、妻夫木聡(42)の主演男優賞、窪田正孝(34)の助演男優賞、安藤サクラ(37)の助演女優賞、作品賞など最多8部門で最優秀賞を受賞した。

第34回の「悪人」以来2度目の最優秀主演男優賞受賞の妻夫木だが、今回の受賞は格別だった。最優秀監督賞の石川慶監督(45)と最優秀脚本賞の向井康介氏(46)とは、同監督の17年の長編映画デビュー作「愚行録」からタッグを組んできた。「ある男」では、窪田が演じた男の素性や過去を探る弁護士を演じた。役作りで取材し、裁判を傍聴するだけでなく「脚本の段階から一緒に、お酒の場で、ご飯を食べながら、ああでもない、こうでもないと話して」作り上げた。それだけに「監督のデビュー作だった作品から一緒だから、彼の才能を間近に見ていた自負があるので本当にうれしい」と男泣き。石川監督は「先輩方の作った日本映画の、大きな大河をつないでいくバトンなんだと受け止めています」と感激した。

窪田は「この作品に関われてチームの一員になれたのがうれしい。人生、一瞬しかないのを、このメンバーと謳歌(おうか)できた。この縁を広げて映画を盛り上げたい」と感激の思いを口にした。安藤も「おめでとうございます。ありがとうございます。これ以上のものはない」と祝福。

「キングダム2 遥かなる大地へ」含む2作で優秀助演女優賞受賞の清野菜名(28)も「こんな、すてきな作品に参加で、今後、私も頑張っていきます」と涙した。

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