大阪の製造会社で社長を務める大亜盈(だいあ・みつる、76)が1日、歌手デビューとなるCD発売の記念パーティーを大阪市内のホテルで開催した。3月22日にリリースした「サルビア」とカップリング曲「人生ありがとう」の2曲を熱唱し、会場に集まった関係者や支援者から大きな拍手を浴びた。

2曲とも作詞作曲は、数々のヒット曲を生み出したたきのえいじ。もともと面識のあった2人だが、大亜の生きざまに共感したたきのから昨年7月に作品を提供された。「うそやろ、という感じ。夢のまた夢ですから」と大亜。それまで歌といえば、趣味のカラオケで歌う程度だったが、とんとん拍子でメロディーレコーズからのCDデビューが決まり、昨年11月にレコーディングを行った。

74年に金網などの製造・販売を営む大阪のダイアエンタプライズ社に入社。91年に前任社長の急死に伴い、社長に就任した。その後、妻が病気で他界し、自身も11年前に悪性リンパ腫になった。抗がん剤などの治療を約8カ月続けて復帰。生きていること、支えてくれる人たちに感謝しながら、今も社長職を務める日々だ。

この日のパーティーには、たきのも駆けつけた。ステージでのあいさつでは、大亜の歌と生きざまに思いをはせ「こんな風に人生の山を越えたり川を渡っていくんだ…という風に感じた。逆に僕の方が感動をもらった」と、感極まり涙を流しながら思いを口にした。

社長と歌手という二刀流の活躍を見せる大亜は、20代から始めたギター演奏も披露し、“三刀流”の多彩ぶりを発揮。ステージの最後は、この日2度目の「サルビア」のほか、アンコールで「人生ありがとう」も歌い上げた。「最初は緊張したけど、最後の方は気持ちよく歌わせてもらいました。この2曲を大事にして、一生の宝物にしていきたい」。温かい声援を受け、満面の笑みでパーティーを締めくくった。