齋藤飛鳥(24)の乃木坂46卒業コンサートが18日、東京ドームで行われた。11年以上活動し、グループを引っ張り続けた1期生のエース。1日5万、2日間計10万人を動員。アイドルとしてのラストステージで躍動した。アンコール1曲目「硬い殻のように抱きしめたい」ソロ歌唱前にスピーチし、ファンやメンバーにメッセージを伝えた。全文は次の通り。

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皆さん、今日はありがとうございます。今日で卒業します。昨日今日と、すごく本当に心から楽しい幸せなライブを作ることができました。でも、私が多分ライブとか乃木坂の活動を心から余裕を持って楽しめるようになったのは、多分ちょっと遅かったんじゃないかなと思います。今日は後輩たちもモニターを見てくれていると思うので、昔の話も未来の話もしたいです。

私はちょっと周りくどい生き方をしてきたなぁと、過去を振り返ると思います。いろんなキャラクターとかも迷走したし、メンバーやスタッフさんに頼ったり、甘えたりするのもなかなかやり方が分からず。なのに今こうやって穏やかに楽しく生きれているのは、きっと乃木坂のみんなだったり、そこに関わる皆さんが周りの人をすごく大事にしているからだなと思います。

「恩返し」っていう言葉があると思うんですけど、私はもっと好きな言葉がありまして。「恩送り」っていう言葉が。その言葉を知ってからこの卒コンもそうだし、メンバーに対してとか、スタッフさんに対しても、なんとなく気持ちの整理ができたような気がしていて。恩を返すだけではなくて、どんどんどんどん送っていく。そうやって連鎖していくってすごいすてきなことだなと思うし、それって私たちが歌っているなと思うので、その言葉を今はすごく大切にして生きています。

私はもう今日が終わったら皆さんとはお別れするし、もうきっと過去の人になるんですけど、でも、もしここにいる皆さんとか画面越しに見てくれてる方とか、私を見たり、乃木坂を見て少しでも楽しいなとか明るい気持ちになったなとか思ってもらえたんだったら、それを恩とは言いませんけど、やっぱりこれからみんなに、後輩のみんなに渡していってほしいなと思います。

私はあんまり人とも深く関わらなかったり、内緒ですけど、学校もあんまり行ってなかったので、乃木坂で一緒に過ごした1期生のみんなはやっぱり同期としてすごく心が通ったなと思った瞬間があって。でも今は、やっぱり乃木坂を守ってくれてる後輩の子たちがすごく大切です。すごくきれいごとですけど、私がこの先卒業して何かに追われることとか、何かで頭がいっぱいになることが少しなくなるとしたら、その分の穏やかな日常とか優しい気持ちを後輩のみんなに味わってほしいなって思っています。

ここまでこうやってたくさん声を出したりして、支えてくださった皆さんなので、信頼してます。絶対にこれから乃木坂46のみんなのことを守って、見守ってあげてほしいなと思ってます。1期生がいない乃木坂46に明日からなりますが、これからの乃木坂46をどうかよろしくお願いします。

それでは次はちょっと歌わせていただくんですが、もちろん支えてくれた皆さん、スタッフさん、みんなに向けて歌うんですが、やっぱり誰よりも支えてくれたお母さんのことも思い浮かべながら歌おうかなと思います。それでは聴いてください。