X JAPANのYOSHIKIが、ハリウッドの老舗映画館、チャイニーズシアターで、日本人として初めて名前を刻むセレモニーを行った。

現地時間14日、米ロサンゼルスの現地で取材した。

会場前は交通規制が敷かれ、ムービーは十数台、スチールカメラも30台以上が集まった。劇場の向かい側の沿道にも300人以上のファンが詰めかけ、その様子を見守っていた。

友人の韓国俳優イ・ビョンホン、KISSのジーン・シモンズらがあいさつを終えると、主役のYOSHIKIはスマホを片手に“平常運転”で現れた。うれしそうな笑顔で「この栄誉を受け取るため、初めての日本人アーティストとしてここに立っています。僕のことを諦めずにいてくれてありがとう」とスピーチ。昨年亡くなった母親の存在にも触れ「僕の人生のこの瞬間を、僕を信じてくれた愛するお母さんにささげたい。ハリウッドの空からこの光景を見下ろしていると思います。感謝してもしきれません。ありがとう、ありがとう、ありがとう」と繰り返した。

式典後、YOSHIKIは取材に応じた。分刻みのスケジュールで履き替える時間もなかったのか、足をひょいと上げると、セメントの跡が生々しく残るブーツのかかとを見せてくれた。10月に控えたクラシックツアーの準備で2日前はロンドンにいたといい、イベント前日にサンフランシスコからロス入り。めまぐるしい日々の中、セレモニー当日を迎え「今朝方、ことの重大さに気付いて。今朝スピーチを考えました」と笑わせた。

セメントにドラムスティックを埋め込んだことも話題となったが、これについては「衝動的に決めました」。パネルは乾燥に3カ月ほどかかり、どの位置に並べられるかは現時点では未定という。場所の希望を聞かれると、YOSHIKIは「僕はどこでもいいです。自己主張しないので(笑い)。あるだけで(十分)」と控えめに喜んだ。

今回の選出については「信じられない。何でそんな栄誉に値するんだと。でも純粋に喜ぼうと思いました」。セメントに手を押し当てた瞬間は「感極まってしまった。ゴールじゃないけど、自分がやってきたことが認められたと思った。X JAPANではむちゃくちゃなステージをしてきて、これが正しいのか分からなかったけど、ファンが応援してくれたからこの道でよかったんだなと思えた」と感謝した。スピーチ中に沿道から名前を呼ぶファンの声や、ゲストの祝福に感激し「ジーンときて、涙をこらえるのに必死だった」と振り返った。

30年ほど前にロサンゼルスに拠点を移し「30年前はこんなことになるとは思わなかった。拠点を移してやってきたけど、自分を多少褒めてあげてもいいのかな」と話す。取材の機会をもらうといつも感じるのは、仕事への妥協なき姿勢と自分への厳しさ。日本人初の栄誉を受けても「多少褒めてあげても」と語る姿に、トップランナーのすごみを感じた。【遠藤尚子】