将棋の杉本昌隆八段(54)が17日放送のNHK総合「クローズアップ現代 藤井聡太“八冠”激闘の舞台裏」(午後7時半)にリモート出演。大逆転勝利で藤井聡太八冠(21)が誕生した王座戦第4局、永瀬拓矢九段(31)が勝勢の場面で指した123手目の悪手「5三馬」について語った。同場面はAIの形勢評価が「永瀬99%勝勢」を示していたが、永瀬九段が指した「5三馬」でAIの評価値が「藤井84% 永瀬16%」に逆転していた。

藤井8冠の師匠である杉本八段は、藤井が指した122手目の「5五銀」に着目。「1手前の122手目、4種類ぐらいあったんですけど、その一手が永瀬さんの意表を突いたのかなと。もともとあの時点で、『90対10』ぐらいで藤井7冠(当時)が不利だった。122手目を選んで『99対1』まで差が開いた。でも逆にそれが人間的には勝負手になった。それが駆け引きだったのか、天性であったのかは分かりませんけど、あの一手が逆転を呼んだのだと思います」と解説した。

さらに「悪手というのは、とがめられない限り悪手にはなりません。AIでは絶対指せない手ではあったと思うんですけど、結果的にそれが勝因となったというのは人間対人間のドラマかなと思った」と続けた。

番組ホームページの告知文には「AIによる分析で勝利確率『1%』から大逆転勝利を収め、前人未到の『八冠』を達成した、藤井聡太。対戦相手は、『将棋に才能は必要ない』をモットーに超人的な練習量で、王座のタイトルを4期守ってきた永瀬拓矢。天才VS努力の人の激闘で、“奇跡の大逆転”はなぜ起きたのか?スタジオに、藤井に4つのタイトルを奪われた渡辺明九段と、藤井の師匠である杉本昌隆八段を招き、藤井の強さは、どこまで進化していくのかを探る」とある。