来年10月の宝塚歌劇団退団を発表した雪組トップ彩風咲奈が27日、大阪市内で会見し、「最後のその日まで大好きな雪組の男役として芸の道をまっとうしたい。最後までたくさんの皆さまの愛にこたえていきたい」と話した。

来年7月に兵庫・宝塚大劇場で開幕する雪組公演「ベルサイユのばら-フェルゼン編」の東京宝塚劇場千秋楽となる来年10月13日付で退団。110周年となる来年は5月に花組トップの柚香光、7月の月組トップの月城かなとの退団がすでに決まっており、彩風が3人目となる。

白いスーツで、緊張気味の面持ちの彩風は、今年最後の本拠地作を12月13日に終えたばかり。「私自身といたしましては、ずっと雪組でかけがえのない仲間とたくさんの作品を作り上げてまいりました」と口にした。

「千秋楽でお客さまはいつもそばにいてくださったんだということを改めて実感する公演でした」とも言い、落ち着かない中での公演を終え、あらためて支えてくれた仲間、ファンに感謝した。

続けて「いま自分にできることは何か。それはどんな状況の時にも、皆さまへの感謝の気持ち、愛というのは、私から発信できるものです。感謝。それは変わらないです。皆さま、雪組、宝塚を愛する気持ちは真実だと思っておりますので、お返しできたらと思っております」と話した。

彩風は07年入団。雪組に配属され、雪組一筋で、新人公演主演は5回。長身で脚長、小顔と抜群スタイルで、下級生時代から注目された。21年4月、雪組トップに就き、相手娘役に朝月希和を迎え本拠地お披露目。昨年12月に朝月が退団し、宙組から20年9月に組替えとなっていた夢白あやを2人目相手娘役とし、今年2月の御園座「BONNIE&CLYDE」から新コンビを組んだ。

また、会見に先立ち、同席した村上浩爾新理事長は「現在の宝塚歌劇団の状況について、大変ご心配をおかけしており、おわび申し上げます」と頭を下げた。