日本が世界に誇るヘビーメタルバンド「ラウドネス」。同バンドがワールドワイドとなるきっかけとなったアルバム「THUNDER IN THE EAST」の発売40周年を記念したアルバム完全再現ライブを取材した。
同アルバムは米・アトランティック・レコードと契約し、85年1月に世に放たれた。日本人バンドとしては初のビルボードTOP100への連続チャートインを果たし、最高位は74位を獲得している。
今回のライブは、アルバム収録曲を曲順通りに披露。これは、コンセプトアルバム以外では、なかなか有りそうでないこと。1曲目の「CRAZY NIGHTS」のサビから、会場の大合唱は正直意外だった。同曲には「M.Z.A」のかけ声のパートがある。発売当時から「どんな意味があるのか?」が語られたきた。二井原実(64)は「世界中のメディアから取材を受けたけど、一番聞かれたのが『M.Z.A』の意味だった」とし、改めて「意味はない」ことを宣言した。
レコーディング前にデモテープを作り、そこに仮の歌メロを入れる。その段階では歌詞が決まっていないため、適当な言葉や鼻歌でメロディーラインを入れることをミュージシャンは「ハナモゲラ」と呼んでいる。「M.Z.A」はこのデモテープに入れられた「ハナモゲラ」だったのだ。
「外国人スタッフが変わるものはないかと考えたけど、結局(プロデューサーの)マックス・ノーマンがM.Z.Aで行こうとなった」という二井原は、「ハナモゲラが勝ったんです」と笑った。
また、高崎晃(64)は、“まーくん”ことベースの山下昌良(63)が当時、ゼブラ柄のステージ衣装を着用していたことから「まーくんのお尻」(My Zebra Ass)と、大阪弁で「もうけな、絶対、あかん」と続け、会場を笑わせた。
来年45周年となるラウドネスは、現在も世界中の音楽フェスに出演している。その一因がこのアルバムであることは間違いない。だが、二井原は「思うに、バンドでこんなアルバムが1枚あれば30年は食っていける。でもラウドネスはそんなアルバムが1枚だけではない」と胸を張った。
心配があるとすれば、ヘビーメタルという音楽の特性上、ライブで体力が必要となることだ。実際、高崎はライブ後、指がけいれんしたことを明かした。それでも、あのパフォーマンスを披露していたと思うと、やはりスーパーギタリストだと思った。
また、最も負担が大きいのは身体が楽器のボーカルだ。だが、二井原は確実に声が太くなっていた。そこには「ライブだけでなく週に3~4日、必ず2時間は歌うようにしています」という努力もある。
ライブでは「50周年はないと思う」と話した二井原。10年後は75歳だが、ドイツのロックバンド「スコーピオンズ」のクラウス・マイネは76歳で現役だ。ぜひ、実現させてほしい。【川田和博】



