刑事ドラマ「太陽にほえろ!」の“山さん”こと山村刑事役で人気を集めた俳優露口茂(つゆぐち・しげる)さんが4月28日に死去していたことが2日、分かった。93歳だった。スタジオジブリの映画「耳をすませば」でバロン役の声を務めるなど、個性派俳優として幅広いジャンルで活躍した。
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露口さんは55年、俳優座養成所に7期生として入所。59年には「逃亡者」で映画デビューを果たし、悪役から好青年まで幅広く演じる個性派俳優として注目を集めた。
72年7月、代表作となる刑事ドラマ「太陽にほえろ!」(日本テレビ)がスタート。七曲署の“落としの山さん”こと山村精一刑事役で一躍人気を集めた。86年4月まで14年にわたり皆勤で出演し、ボス役の石原裕次郎さんから「“太陽”になくてはならない男」と信頼を寄せられた。
最後の出演となった第691話は、番組11人目となる殉職を選んだ。短銃密輸組織の捜査中に凶弾に倒れるラストシーンは大きな話題となった。渋い存在感と同様、実直で無口な人柄で知られ、当時の取材会では「長いようで短かった。精いっぱい走り続けてきました」と振り返った。
NHK連続テレビ小説「おはなはん」(66年)、「繭子ひとり」(71年)のほか、NHK大河ドラマ「国盗り物語」(73年)、「風と雲と虹と」(76年)などテレビドラマも多く出演。81年にはTBS「父母の誤算」で連続ドラマ初主演も務めている。山田洋次監督の「露の旗」(65年)、今村昌平監督の「ええじゃないか」(81年)など映画の出演も多岐にわたる。
声優、吹き替えでも多くの実績があり、80~90年代にNHKで放送された「シャーロック・ホームズの冒険」ではシャーロック・ホームズ(ジェレミー・ブレット)役で人気に。95年にはスタジオジブリの「耳をすませば」のバロン役の声を務め、話題を集めた。
90年代中盤以降は徐々に表舞台から遠ざかり、近年はメディア露出がほとんどなかった。
◆露口茂(つゆぐち・しげる)1932年(昭7)4月8日、東京都生まれ。太平洋戦争の影響で両親の故郷、愛媛県松山市に疎開し、そのまま松山市で育つ。県立松山東高から愛媛大に進学。2年で中退し、俳優座に入所し俳優業へ。ゴルフはシングルの腕前で知られた。



