NHK26年度前期連続テレビ小説「風、薫る」で主人公の1人を務める見上愛(24)が撮影のクランクインを迎え、14日に栃木・大田原市内で取材に応じた。
9月8日から撮影は始まっており、この日は600年以上の歴史を誇る国重要文化財の曹洞宗寺院、大雄寺(だいおうじ)で、第1週で放送する祭りばやしや出店でにぎわう境内に家族と訪れたシーンや、幼なじみらと祭りを楽しむシーンを撮影した。本堂をバックに10代半ばの設定の浴衣姿で登場し「いよいよ始まったんだなという感じです。会見の時にも言いましたけど、雰囲気のいい現場を作りたいという思いをすごくみなさんが気にしてくださって楽しく撮影ができています」と話した。
明治期の看護師を題材としたバディ物語で、上坂樹里と共にダブル主人公を演じる。見上演じる一ノ瀬りんは、栃木県那須地域の元家老の家に長女として生まれる役どころで、撮影も大田原市内で行っている。初日は歌を歌うシーンから始まったといい「明治時代の歌なので音程が難しかった」と振り返ったが1発OKでこなした。まだクランクインしていない上坂も栃木県内の現場まで足を運んでいたといい「わざわざ見届けに来てくれて、うれしくて心強いなと思いました」と喜びを語った。
ここまで現場では夕立など雨で撮影がストップすることも多かったというが「雨が降ってもみなさん生き生きとお仕事をしてくださっています」と笑顔。「このあたりは森林も多くて、方言も優しいのでおっとりとした和やかな気持ちになる場所だなと思っています」と紹介した。
撮影へ向けては書道や歌、なぎなたなどの稽古に励んできたという。「1日6限とか、学校みたいな感じでお稽古していた」と振り返り「積み重ねてきて少しずつ(演じる)りんができあがってきているなと思います。脚本が示しているりん像を現場にいるみなさん、いないみなさんと歩み寄りながら作っていけたらいいなと思って取り組んでいます」。自身も幼少期から音楽に合わせて体を動かすことで子どものリズム感や社交性などを高めるリトミックや書道や水泳、ピアノ、バレエなど多くの習い事をこなしてきたといい「私も習い事が好きでたくさんやっていたのであの時と同じ気持ちになりました」と力を込めた。
この日撮影したお祭りのシーンでは、両親役の水野美紀や北村一輝らとも初めて共演した。50人近くのエキストラも起用しての撮影となり「賑やかなシーンでお天気もすごく晴れたので。ここはきっと一旦の幸せの絶頂というか、温かく幸せな場面になるなと思いました」と振り返った。
栃木県との思い出についてはギョーザにハマっていた学生時代にギョーザ店が有名な宇都宮まで日帰りで食べに来た思い出を回顧。「快速電車に乗ってそのためだけに来た思い出があります。今の現場でもいろんなおいしいものを食べていて、野菜だったりお米もおいしいです」。まだギョーザは食べられていないといい「食べて帰るぞという強い気持ちを持って撮影に臨みたいと思います」と笑いを誘った。
上坂との関係については「お稽古などで一緒に過ごす時間もあって、どんどん心が開いていって少しずつ敬語がなくなってきたかなという感じはあります」と明かし「ここからまた出会いのシーンだったりその先のシーンの撮影があるので、しっかり手を握り合って、同じ歩幅で歩いていけたらいいなと思います」と意気込んだ。
上坂の出演発表会見では2人の呼び名について話す場面もあり、当時は「これから考えます」としていた。その後の展開を聞くと「私は『樹里ちゃん』って呼んでいるけど…。むこうはどうだったけ。また樹里ちゃんに聞いてみてください」とパスを送っていた。
物語は、まだ女性の職業が確立されていなかった明治期に同じ看護婦養成所を卒業し、「トレインドナース(正規に訓練された看護師)」と呼ばれて新たな風を巻き起こした実在の人物、大関和さんと鈴木雅さんの2人の半生をモチーフとする。見上が大関和(ちか)さんがモデルの一ノ瀬りん役、上坂が鈴木さんモデルの大家直美役。田中ひかる氏の著書「明治のナイチンゲール 大関和物語」を原案とし、作者の吉澤智子氏らがオリジナル要素も加えながら届ける。
NHKは「激動の時代を生きた2人のナースとその仲間たちの波瀾(はらん)万丈の物語として大胆に再構成します。登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描きます」としている。モチーフとなる大関和さん(1858-1932)と鈴木雅さん(1857-1940)は、1886年に桜井女学校の看護婦養成所に第1期生として入学。卒業後は帝国大学医科大学第一医院でトレインドナースになった。しかし、ほどなくして大関さんは職場を追われて新潟県で女学校の舎監をすることに。一方、鈴木さんは日本で初めての個人経営の派出看護婦会を設立し、やがてそこに大関さんも加わることとなる。
2人は派出看護を行いながら、防疫活動でも大きな成果を残す。その後、鈴木さんは看護婦会を大関さんに委ねて引退。大関さんはその後、会頭を務めながら、「派出看護婦心得」「実地看護法」などを執筆。2人は看護師という職業の確立に大きく貢献した。
朝ドラは、現在放送中の25年前期は今田美桜主演の「あんぱん」、同年後期は高石あかり主演で「ばけばけ」を放送することが発表されている。「風、薫る」は連続テレビ小説第114作目。



