講談社は4日、21年の米アカデミー賞でアジア系女性初の監督賞、作品賞、主演女優賞の3冠を受賞した「ノマドランド」で知られる、中国出身のクロエ・ジャオ監督(43)とプロデューサーのニコラス・ゴンダ氏とタッグを組み、米ハリウッドを拠点とする新会社「Kodansha Studio」を設立すると発表した。ハリウッドに制作会社を設立することは、同社初の試み。スタジオを通じ、日本で出版された多種多様なマンガや小説の海外実写映像化およびグローバル展開において、より主体的な役割を担っていくとした。講談社専務取締役の森田浩章氏がCEOに就任する。

講談社は同日、都内の本社で会見を開き、ジャオ監督がスタジオの最高クリエイティブ責任者(Chief Creative Officer)として企画やクリエイティブを統括すると発表。数多くの映画やドラマを手掛けてきたプロデューサーのニコラス・ゴンダ氏がCOOを務めるとした。ジャオ監督は「本当にワクワクして、うれしい。深く、深く日本のアニメを、子供の頃から愛しています。このような機会をいただけて光栄です」と笑みを浮かべ、手を振った。

講談社の野間省伸社長(56)は、2年前にジャオ監督と米ロサンゼルスで会ったと説明。「本当に漫画が好き。中国にいた子どもの頃から読んでいて、愛情がある。話が盛り上がり『ぜひ、アニメを作りたい』と。実写と一緒に作れば? と言ったら『不可能だ』と言うので『不可能じゃない』と言った」と、ジャオ監督が日本の漫画、アニメのファンでアニメ制作にも意欲を持っていると明かした。

ジャオ監督は「東、西…異文化間の架け橋にしたい。映画、ストーリーテラーとして望むのは安心する場所。情勢に左右される守られる場所…庭として機能して欲しい。日本の作家と海外のクリエイターが、育て上げる役割で、そこから巣立つ役割」と語った。その上で「彼の勇敢さ…不可能に挑戦する『ミスター・インポッシブル』。取り入れて果敢に取り組んでいきたい」と、野間社長と心が1つだと強調した。

ジャオ監督は都内で開催中の東京国際映画祭で黒澤明賞を受賞。アイルランドの俳優ジェシー・バックリー(35)とポール・メスカル(29)主演で、日本での公開を27日に控える最新作「ハムネット」が、クロージング作品として上映される。