元TBSアナウンサーで、同局の人気音楽番組「ザ・ベストテン」司会や、テレビ朝日系「ニュースステーション」のキャスターとして知られる、久米宏(くめ・ひろし)さんが1日、肺がんのため亡くなった。81歳だった。所属事務所が13日、公式サイトを更新し、発表した。
久米さんは、1985年10月から「ニュースステーション」のメインキャスターを務めた。キレのあるトークに加え、ユーモアもあった。
1988年(昭63)10月19日だった。プロ野球の「10・19」に久米さんも少し関わっている。
この年の近鉄バファローズはシーズン最終日の10月19日を2位で迎えた。首位西武とのゲーム差は0・5。逆転優勝は、川崎でのロッテ戦ダブルヘッダー連勝のみという厳しい条件だった。
近鉄は第1試合で勝ち、迎えた第2試合。第2試合は8回表にブライアントが勝ち越しソロを放ち、Vへ大きく前進。ところが救援の阿波野秀幸が8回裏、高沢秀昭に同点ソロを浴び、試合は振り出しに戻った。
試合を中継していたテレビ朝日は、報道番組「ニュースステーション」の枠内でも急きょ放送を続けるなど、異例の対応を取った。
9回表2死二塁、近鉄の新井宏昌が強烈な三ゴロ。ロッテの三塁手水上善雄が冷静に一塁に投げ込みアウトにした。試合の実況を務めていたABC安部憲幸アナウンサー(17年4月に71歳で死去)は「止める! 水上! This is プロ野球~!」と絶叫。続けて「まさに打ちも打ったり新井、よく止めた水上。白熱のゲームが好プレーを演出。9回表が終わりました川崎球場、4-4同点」と冷静に語った。この安部アナの「This is プロ野球~!」は今では語り草となっている。
実はこの後に続きがある。「ニュースステーション」内での生中継だったため、画面が切り替わり、スタジオにいる久米さんが登場。「This is ニュースステーションでございます」と緊迫した場面でもユーモアを発揮していた。
その後、9回裏ロッテの攻撃で、阿波野の二塁へのけん制でのタッチプレーを巡り、ロッテ有藤監督が9分間の猛抗議。当時は試合時間が4時間を過ぎると新しいイニングに入らない規定があったため、これが遠因となり試合は延長10回4-4の引き分け。近鉄は目前にしていた逆転優勝を逃した。



