第98回米アカデミー賞のメーキャップ・ヘアスタイリング賞でノミネートされた「国宝」の李相日監督(52)、ヘアメークの豊川京子氏、歌舞伎メークの日比野直美氏、床山の西松忠氏が27日、都内の日本外国特派員協会で会見を開いた。

日比野氏は「私は日ごろは日本舞踊の、おさらい会の白塗りのお化粧がお仕事」と自身の仕事「顔師」について説明。「私は前職がOSK日本歌劇団(旧松竹歌劇団)に所属しておりまして、自分も舞台に立っていたわけですね」と、自身のこれまでの歩みも触れた。「結婚しまして、子育てをしている最中に、顔師をしないかとお誘いを受けまして。子供の頃から芸事しかしてこなかったので、一般職は一切、できないので、この仕事なら私にもできるかなと軽い気持ちで始めてから30年ほど。そのほとんどを弟子として過ごした」と続けた。そして「OSKでいろいろな思いをし、たくさん学んだこと。弟子として学んだことが何1つ、無駄にならなかった」と感謝した。

今回、初挑戦した映画の仕事については「(日本舞踊は化粧が)2、3時間、きれいに乗ったらいいんですが、映画は収録時間が10時間…長い。持たせるのが1番、苦労した」と説明。「(日本舞踊は)ステージと客席の距離で、きれいになれば良いんですが、映画はアップが多い。近くで、きれいに映ることを、とても考えました」と明かした。

米アカデミー賞のノミネートについては「驚きもないくらい。注目されていますけど、私にいただいたのではなく、何百年も、いろいろな方がつむぎ、継承してきたものが、いただいたもの。師匠、一緒にお仕事した方に助けられ、教えていただいたこと」と感謝を繰り返した。

「国宝」は作家・吉田修一氏(57)の同名小説の映画化作品。吉沢亮(32)が主人公・立花喜久雄の50年の人生を、少年期を演じた黒川想矢(16)と演じた。抗争で父を亡くした喜久雄を引き取る上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎を渡辺謙(66)半二郎の実の息子で、生まれながらに将来を約束された御曹司・大垣俊介を横浜流星(29)と、少年期を越山敬達(16)が演じた。吉沢と横浜が、歌舞伎俳優の中村鴈治郎(66)から1年半にわたって歌舞伎の指導を受けたことも話題を呼んだ。

25年6月6日の初日から同11月24日までの公開172日間で、興行収入(興収)173億7739万4500円、動員1231万1553人を記録。03年「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(本広克行監督)が22年、守った173億5000万円の実写日本映画興収記録を22年ぶりに更新。今年2月15日までの公開255日間で、興収200億851万9000円。動員1425万2409人を記録。邦画実写史上初の興収200億円を突破した。また歴代ランキングでは、196億円を記録した04年「ハウルの動く城」を超え、203億円を記録した01年「ハリー・ポッターと賢者の石」に次ぐ10位に躍り出た。

メーキャップ・ヘアスタイリング賞は、これまで米国籍を取得したカズ・ヒロ(辻一弘)氏が18、20年と2度、受賞しているが、日本映画としては初めて。受賞すれば、日本国籍を持つ日本人では初となる。授賞式は3月15日に開催される。