タカラジェンヌを養成する宝塚音楽学校(兵庫県宝塚市)の114期生40人の入学式が18日、開かれた。競争率10・55倍から合格した40人が夢へ第1歩を踏み出した。
式典では中西達也校長が「入学した今日の喜び、家族やご指導いただいた皆さんのご支援への感謝の思い、同じ夢を持ちながらかなえられなかった仲間への思いや初心を忘れず、プロの舞台人になる覚悟を持って、2年間の学校生活を送っていただきたい」と式辞。
卒業生が進む宝塚歌劇団社長と兼任する村上浩爾理事長は「宝塚歌劇は変革期にあります。唯一無二の宝塚歌劇をいつまでもお客さまにお届けし続けるため、皆さんが舞台に注力できるための基盤づくり、環境整備という趣旨で取り組んでいます。皆さんが自分の意見を安心して発信できるような仕組みを作っていきたい」と祝辞を述べた。
歌劇団代表として、専科の京三紗も祝辞を述べ、「2年後の宝塚大劇場の初舞台で、お客さまに愛と希望と夢と勇気、そして笑顔を届けるタカラジェンヌになる。決して楽な道ではありません。つらいことも悩むこともあるでしょう。そんなときはともに悩み、苦しみ、切磋琢磨(せっさたくま)する同期生の姿が力になる。同期生は家族。家族が誰ひとり欠けることなく、初舞台の初日を迎えることを願ってやみません。おめでとう。タカラジェンヌに栄光あれ」と門出を祝った。
式典では本科生総代からの歓迎の辞を受け、新入生総代の西前比草(にしまえ・ひな)さん(和歌山県)が「『清く、正しく、美しく』の教えのもと、お互いを思いやり、切磋琢磨(せっさたくま)しながら、立派な舞台人になるよう、限りない芸の道に精進することをお誓いいたします」と答辞。校歌などを斉唱した。セレモニーでは、本科生が新入の予科生へ校章バッジも着け、「頑張ってね」などとエールを送った。
式典後、総代の西前さん、川村柚葉さん(茨城県)、多川結莉さん(横浜市)、森本あづみさん(兵庫県)の4人が取材対応した。
男役志望の西前さんは3回目の受験で合格。「今日、朝起きたときまでは本当に私が合格したのか実感がわいていなかったのですが、グレーの制服を着て校歌を歌い、校章を付けていただき、とてもうれしく思います。これからの学校生活を同期と協力して頑張っていきたい」
男役志望で身長は166センチ。目標とするのは月組の彩海せら。「彩海さんのようにかっこいい男役から、『GUYS AND DOLLS』のアデレードのようなかわいらしい娘役まで演じられる舞台人になりたいです」と目を輝かせた。
娘役志望の川村さんは4回目の受験で合格。星組トップ娘役詩ちづるのような「かわいらしいお役から、かっこいい大人の女性まで幅広く演じられる、表現力のある舞台人になりたい」。タップダンスの授業が楽しみだといい、「上級生の方々の音が乱れないかっこいい姿にあこがれを持ちました。私もタップダンスが上手な娘役さんになりたい」と語った。
同じく娘役志望の多川さんは3回目の受験で合格。元雪組トップ娘役咲妃みゆをあこがれに挙げ、「かわいらしくて華やかで、それでいて強い芯のある姿にあこがれます。咲妃さんのような立派な舞台人になりたいです」と希望した。
兵庫県出身の森本さんは4回目の受験で合格。身長169センチ、男役志望で目標は専科の輝月ゆうま。「3枚目の役から悪役まで演じられる男役になりたい」。ポピュラー音楽の授業が楽しみと話し、「2年間しっかり学んで舞台に生かしたい」と楽しみにしていた。
40人は3月29日、受験者数422人から競争率10・55倍を突破し、合格。近年の少子化に加え、道半ばである宝塚歌劇団の風土改革の影響もあるとみられ、競争率は今世紀最少となったが、それでも2桁を超える高い競争率を勝ち抜いて、夢へ続く門をくぐった。予科、本科と2年にわたり、声楽や日舞、洋舞などのダンス、演劇など技術に加えて、タカラジェンヌとしての心がけ、素養などを学び、2年後、28年春の入団を目指す。



