出口夏希(24)と蒔田彩珠(23)が、24年にアニメ映画化され興行収入(興収)20億4000万円を記録した藤本タツキ氏(33)の漫画を、是枝裕和監督(63)が実写映画化する「ルックバック」(9月11日公開)にダブル主演することが8日、分かった。出口が4コマ漫画が得意なクラスの人気者の藤野、同学年の藤野の4コマ漫画の大ファンで、ひきこもりでひたすら絵を描いていた京本を蒔田が演じる。2人は、是枝監督が総合演出を務めた23年のNetflixシリーズ「舞妓さんちのまかないさん」以来の共演で、クランクイン4カ月前から漫画練習を積み重ね、秋田県にかほ市を中心とした長期ロケに臨んだ。
「ルックバック」は、藤本氏が21年に「少年ジャンプ+」(集英社)で発表した読み切り漫画。学年新聞で4コマ漫画を連載し、クラスメートから絶賛を受ける小学4年の藤野が、先生から突然、不登校の同級生・京本の4コマ漫画を掲載したいと告げられ、その存在を知り画力の高さに驚く。その後、ともに漫画を描き始め、ひたむきな思いを貫く2人の成長を追いながら、ある日、起きた全てを打ち砕く衝撃的な出来事を描く。胸を突き刺す青春物語が多くの感動を呼んだ。
是枝監督は、京都からの新幹線の帰りに品川駅の本屋に平積みされていたのを手に取ったのが原作との出会いだと明かしているが、蒔田のキャスティングについて「読んだ後に、蒔田さんとお会いする機会があり『もしこの作品を撮れるときがきたら、京本を頼むよ』という話をしました」と説明。「プロデューサーから実写映画化の話をもらう前です。そのまま一緒に書店へ行って、原作漫画を買って、渡した記憶があります」と、原作を読んだ時から実写化するなら京本役には蒔田をイメージしていたと明かした。そして「初めての出会いから15年ほど、多くの作品に出てもらいましたが、ここまでしっかりと彼女を撮るのはデビュー作以来です。安心して京本を任せられたなと思っています」と太鼓判を押した
蒔田も「数年前に、是枝監督から「この作品をやりたいと思ってるんだ。」と原作本をいただいたのが『ルックバック』との出会いです。藤野と京本、それぞれがたくさんの壁にぶつかり、それでも好きなことのために立ち上がり、前を向いて進んでいく姿にとても共感したのを覚えています」と振り返った。その上で「出演が決まった時は、やっと実現するんだという高揚感と、原作がたくさんの人に愛されているからこそのプレッシャーがありましたが、是枝組の温かい雰囲気と、夏希ちゃんの、現場をパッと明るくしてくれる天真らんまんで、そんな不安はすぐになくなりました」と、出口への信頼の厚さを口にした。
出口は「こんなに多くの方から愛される作品へ出演させていただくことに不安もありましたが、藤野役に選んでいただいたことがとてもうれしくて、藤野がどんな子なのかどんな思いなのか日々漫画練習もしながら積み重ねていきました」と、役作りを明かした。その上で「是枝監督とまたご一緒させていただけたことも光栄で、現場ではのびのびと自分らしくいれる空気感を作ってくださって、演じていて楽しかったです」と是枝監督に感謝した。
蒔田に対しても「彩珠は一緒にいてとても落ち着きました。一人の撮影の時も、彩珠を思いながら頭の中でずっと一緒にいたので、藤野と京本の関係性で撮影に臨めたと思います」と、心1つに撮影できたと感謝。是枝監督は、出口について「初めての出会いから4年ほど経ちましたが、成長に驚きました。さまざまな現場を経験して自信をつけてきたのだと思いますが、さらに振り幅の大きい感情を表現できるようになっていて、ここぞというシーンで見せる表情は圧巻でした」と絶賛した。
また、子ども時代の藤野を七瀬ふうり(12)、京本を岡田六花(12)が、それぞれ演じる。ふたりとも撮影当時は11歳の小学5年生で、誕生日がわずか1日違いの同級生。七瀬は今作で俳優デビューしたが、是枝監督がオーディションで出会って、すぐに「このふたりしかいない」と確信してのキャスティングだ。
是枝監督と、俳優陣のコメント全文は以下の通り。
出口夏希(藤野役)原作漫画を読み終わったあと、二人が一緒に夢を追いかけて必死に進む姿や、前にしか進めないこと、真っすぐでひたむきな思いがあふれている作品にすごく心をうたれました。こんなに多くの方から愛される作品へ出演させていただくことに不安もありましたが、藤野役に選んでいただいたことがとてもうれしくて、藤野がどんな子なのかどんな思いなのか日々漫画練習もしながら積み重ねていきました。是枝監督とまたご一緒させていただけたことも光栄で、現場ではのびのびと自分らしくいれる空気感を作ってくださって、演じていて楽しかったです。彩珠は一緒にいてとても落ち着きました。一人の撮影の時も、彩珠を思いながら頭の中でずっと一緒にいたので、藤野と京本の関係性で撮影に臨めたと思います。にかほの皆さんも本当に温かくてとてもアットホームな場所でした。
蒔田彩珠(京本役)数年前に、是枝監督から「この作品をやりたいと思ってるんだ。」と原作本をいただいたのが『ルックバック』との出会いです。藤野と京本、それぞれがたくさんの壁にぶつかり、それでも好きなことのために立ち上がり、前を向いて進んでいく姿にとても共感したのを覚えています。出演が決まった時は、やっと実現するんだという高揚感と、原作がたくさんの人に愛されているからこそのプレッシャーがありましたが、是枝組の温かい雰囲気と、夏希ちゃんの、現場をパッと明るくしてくれる天真らんまんで、そんな不安はすぐになくなりました。子ども時代を演じている七瀬ふうりちゃんと、岡田六花ちゃんも常に元気で楽しそうにしている姿に、何度も癒やされました。ロケ地でもある秋田の皆さんも、本当に良くしてくださり、第2の故郷ができたような気持ちです。キャスト・スタッフみんなの愛が詰まった作品になっていると思います。早くたくさんの方に観ていただきたいです。
七瀬ふうり(子ども時代の藤野役)初めてすごい役をいただいたことが本当にうれしくて、撮影が始まるのが楽しみでした!私が演じる藤野は、強がりでお調子者の自信家で、4コママンガを作るのがとっても上手な女の子です。撮影期間で一番楽しかったのは、なつきちゃん(出口)あじゅちゃん(蒔田)六花(岡田)ちゃん、制作スタッフの皆さんと一緒にスイカ割りをしたことです。逆に大変だったのは、雨の中田んぼ道を走るシーンです。2月の撮影だったので、すごく寒かったです。是枝監督から「自由! 自分の思うままにやってほしい」というアドバイスをいただいたおかげで、最後まで自分らしく演じることができました。秋田では、雪でいっぱい遊びました。ほかにも六花ちゃんとルックバックチームの絵を描いたこと、スタッフの皆さんとのBBQや、にかほの皆さんがすっごくやさしくしてくれたことなど、思い出がいっぱいです!
岡田六花(子ども時代の京本役)オーディションの合格を知った時は、正直信じられなくて何回も確認しました。夢かと思いましたし、もしかしたら今も夢かとも…。私が演じた京本は、絵が好きで集中力がすごい、本当に「すごい子」なので、携わることができて光栄です。撮影は全部が楽しかったのですが、特に夏の撮影は海で遊んだりスイカ割りや花火をしたりと、最高の夏休みでした!反対に大変だったのは絵を描く練習です。毎日何時間も頑張りましたが、なかなか上達しなくて…そこで「進捗(しんちょく)」って言葉を覚えました。是枝監督は最初、緊張で目も合わせられませんでしたが、いつもおおらかで優しくて、撮影の最後の方ではお菓子を一緒に食べておしゃべり出来るようになりました。秋田の撮影はみんな優しくて景色がきれいでした。むっち先輩(七瀬)にはスライム作りを教わって今は私もハマっています。
是枝裕和監督(藤野役・出口夏希について)初めての出会いから4年ほど経ちましたが、成長に驚きました。さまざまな現場を経験して自信をつけてきたのだと思いますが、さらに振り幅の大きい感情を表現できるようになっていて、ここぞというシーンで見せる表情は圧巻でした。
そういった成長と、変わらない天真らんまんが彼女の中に同居していることが非常に魅力的で、藤野を見事に演じ切ってくれました。
(京本役・蒔田彩珠について)原作漫画を読んだ後に、蒔田さんとお会いする機会があり、「もしこの作品を撮れるときがきたら、京本を頼むよ」という話をしました。プロデューサーから実写映画化の話をもらう前です。そのまま一緒に書店へ行って、原作漫画を買って、渡した記憶があります。初めての出会いから15年ほど、多くの作品に出てもらいましたが、ここまでしっかりと彼女を撮るのはデビュー作以来です。安心して京本を任せられたなと思っています。
(子ども時代の藤野役・七瀬ふうりについて)オーディションで最初に会った時に「この子しかいない」と確信したことを覚えています。ポジティブで、おおらかで、自然体な姿がまさに藤野で、ピッタリとイメージに合致しました。
撮影に入ってもそれは全く変わらず、現場全体のムードメーカーにもなってくれて、想像した以上の活躍に驚いています。
(子ども時代の京本役・岡田六花について)脚本段階では、京本をどう描いていくか、難しさを感じていましたが、岡田さんという具体的な存在がいてくれたことで、想像が膨らんでいきました。オーディションの時から、撮影に入るにつれてどんどん良くなっていくので、「もっと見たいな」と思い、彼女のシーンは当初の予定よりも増えていったほどでした。
◆アニメ映画版「ルックバック」 庵野秀明監督の09年「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」や、スタジオジブリの10年「借りぐらしのアリエッティ」、13年「風立ちぬ」など、劇場アニメの人気作に主要スタッフとして参加してきた押山清高監督が監督・脚本・キャラクターデザインを務め、河合優実(25)が藤野、吉田美月喜(23)が京本役で声優に初挑戦。24年6月28日の公開後、作品性の高さから話題を呼び、興収20億円、国内動員100万人を突破した。



