女優中村玉緒(本名奥村玉緒=おくむら・たまお)さんが、9日に肺炎のため亡くなった。86歳。所属事務所が発表した。

中村さんは上方歌舞伎の名門成駒屋の2代目中村鴈治郎の長女として生まれ、兄は後の坂田藤十郎という歌舞伎の名門で育った。

京都女子学園中卒業後、53年松竹映画「景子と雪江」で女優デビュー。翌年に大映と専属契約を結び、長谷川一夫、市川雷蔵、勝新太郎らの相手役を務め、時代劇の娘役スターになった。60年「大菩薩峠」などでブルーリボン賞助演女優賞受賞。映画「悪名」で共演した勝と62年に結婚。長女真粧美さんと長男で俳優の鴈龍太郎さんともうけた。

夫の勝が67年に、大映から独立して勝プロを設立。81年に勝プロが倒産すると翌年、玉緒さんが勝プロ社長になり、勝さんが残した数億ともいわれる負債を背負った。また、勝さんは2度のコカイン所持での逮捕など、97年に勝さんが下咽頭がんで亡くなるまでの35年間の結婚生活で「耐える女」のイメージも染みついた。

「橋のない川」で日刊スポーツ映画大賞助演女優賞受賞した92年には「女坂」で歌手デビューした。94年にTBS「明石家多国籍軍」でバラエティーに初挑戦。明石家さんまとのかけあいが人気となった。玉緒さんの強烈な「天然キャラ」がお茶の間に知れ渡り、さんまが司会を務めるバラエティー番組に頻繁に出演することとなった。同時期にドラマや舞台でも主役を務めるようになり、TBS系「おばさん会長・紫の犯罪清掃日記 ゴミは殺しを知っている」シリーズなどに出演した。

◆中村玉緒(なかむら・たまお)本名奥村玉緒。1939年(昭14)7月12日、京都生まれ。01年から京都市特別観光大使を務め、11年から、「京都名誉観光大使」に就任。血液型O。