2件の暴行罪で在宅起訴されたタレントの「デヴィ夫人」こと、本名デヴィ・スカルノ被告(86)の初公判が23日、東京地裁で開かれ、同被告は起訴内容をおおむね認めた。同被告は黒のワンピース、ハイヒール姿に、イヤリング、ネックレス、指輪という豪華な装飾品をまとって法廷に登場。25年2月13日に東京・渋谷区のしゃぶしゃぶ店で、当時の秘書Aさんに対してシャンパングラスやおしぼりを投げつけるなどした1件目、同年10月28日に同じく渋谷区の動物病院で、当時のマネジャーBさんに対して胸腹部を殴ったりすねを蹴ったりした2件目の暴行罪に問われ「自分の身から出たサビと反省しています」と述べた。

1件目は、被告の個人事務所を退職するAさんの送別会で起きたという。被告は動物愛護を掲げて「ワンニャン平和党」を立ち上げ、参院選出馬を目指していた。その中で、Aさんは政治にかかわる仕事に携わることに否定的で、ふとした発言に対して被告は「瞬間湯沸かし機のようにカッとなってしまい、おしぼりを投げてしまいました」と認めた。検察側から「他には何か投げましたか」と問われると「はしと、はし置き」と答えた。ただ、シャンパングラスについては「そんなものには手を付けていないと思います」と、一部否定したが「記憶があいまいです」とも答えた。

2件目については、愛犬チワワの「たろう」の容態が急変し、Bさんとお手伝いさんによって動物病院に運ばれたところへ、被告が駆けつけた後に起きたという。被告によると延命措置で、太い管が数多く「たろう」に施されていたという。被告が動物病院に到着した時に、すでに「たろう」は亡くなっていたが、管を抜いた瞬間に「血の海になった」といい、気が動転して動物病院の医師に、食ってかからんばかりに説明を求めようとしたところ、Bさんに羽交い締めにされたという。そこで被告はBさんの胸のあたりを1度、こぶしで殴り、すねの辺りを数回蹴ったという。

ただ、この件についても被告は殴ったことは「(病院の)入口で、右手で押したり(Bさんの)手を振り払ったりはしたかもしれない」と、全面的には認めていなかった。また、蹴ったことについても「帰ろうとしても(Bさんが警察の到着を待っていたため)お地蔵さんのように、石のように動かなくて、両手で犬を抱えていたので、足でドアの方向を示しただけ」と、全面的には認めなかった。

それでも担当弁護士は「積極的に争うものではない」と、起訴内容を認める意向を示した。2件の暴行罪に問われたことで、予定していたテレビやイベントへの出演、公演などのキャンセルが相次ぎ、違約金も発生し、総額で約9000万円もの損失が出たという。そうした面では社会的制裁を受けたと主張した。また、現在は社会奉仕活動、事前活動にも力を入れていると主張し「物を投げたりするのは大人げなかった」と、反省の姿勢も示していた。