大分県発のスリーピースロックンロールバンドSIX LOUNGEの楽曲「君が眩しいから僕は星が見えない」がリリースから約2年がたった今、SNSを中心に話題を呼んでいる。来年2月13日にはバンド初の日本武道館公演の開催も決定。メンバーのヤマグチユウモリ(29、Gt./Vo.)ナガマツシンタロウ(29、Dr./Cho.)イワオリク(29、Ba./Cho.)がこのほど本紙の取材に応じた。【望月千草】
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楽曲の浸透を実感する日々だ。新たな季節の訪れとともに、バンドにも1つ大きな風が吹いた。
ナガマツ 「急に、でしたね。どうやらバズってるらしいと聞きました」
ヤマグチ 「有線でよく流れていて、たまたま入ったお店で流れてきて『これがバズか…』と」
イワオ 「広まっているのは素晴らしいことなのでありがたいです。(反響は)方々から言ってもらえている気がします」
歌詞に若い世代から共感が集まり、今春に入って突然“リバイバルヒット”。作詞を担当したナガマツの実体験も元になっているという「君が眩しいから-」の詞はロマンチックなワードとともに、恋人や大切な存在と片時も離れたくないという独占欲にも似た自然な感情が直球に表現されている。「狙って書いてないものではある」としつつも、TikTokではカップルが思い出をまとめた動画などを投稿する際の定番曲となりつつある。
ナガマツ 「(制作時は)自分が良いって思ったものを信じつつ書きました。そういう動画に使ってもらえるのも全然良いし、聞かれないより聞いてほしいですね」
思いは実り、TikTokでは現時点で8500万回再生を記録中だ。
インディーズ時代から高い人気を誇る楽曲「リカ」も同様。共依存の愛の形を描いた同曲は、多くのラブソングを生んできたシンガー・ソングライターのaikoがテレビ番組で絶賛したほど。口コミで広まり、SNSで累計2・3億回超という記録をたたき出した。ロマンチックな歌詞、ハードなワードセンスはあえて大切にしている世界観でもあるという。
ナガマツ 「『リカ』の時も歌詞に注目してくれたり、個人的にはうれしいです」
ヤマグチ 「歌を通してじゃないと言えないぐらい直接的にロマンチックな歌詞とかたまにあるんですよ。それを、歌を通して昇華できるのは面白いっていうか、1つのロックロールの魅力だと思っています」
キャッチーな曲調が流行りやすい傾向にあるSNS市場だが、同バンドは時流とは対照的。心の内をさらけ出すような歌詞とストレートなロックサウンドで、多くの人を振り向かせた。 ヤマグチ 「はやり廃りではない感じが、こうして若い子に聞かれるのは素晴らしいことだなと」
イワオ 「歌の力がちゃんと浸透してきているのかなと。世間に広がってきているから伝わっている部分があるのかなと思います」
3日に公開されたYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」でも「君が眩しいから-」を披露した。ヤマグチの伸びやかな歌声、10年来の間柄の3人による息の合ったパフォーマンスに「歌がうますぎる」「初めて知ったけど声が良すぎる」などと、次回の登場を待つ声が殺到した。
3人は大分県立芸術緑丘高校の先輩後輩。中学生の時に文化祭で歌ったことを機に「モテた」成功体験からバンド活動に憧れたヤマグチ、幼少期から「Queen」が好きでドラムに親しんでいたナガマツが同じクラスになったことから始まる。
ヤマグチ シンタロウは自己紹介が衝撃的で。割とこんな感じ(今と似た)見た目で「好きな食べ物はプリンです」って(笑い)。
ともにバンド活動に憧れてはいたものの、高校はクラシックを学ぶ生徒が大半。バンドを志すの生徒は少数派だった。周囲から方向性を珍しがられる中、ヤマグチが目にしたのが音楽室でドラムをたたくナガマツの姿だった。
ヤマグチ シンタロウがドラムをたたいてる音が聞こえて、速攻誘いました。あの第一印象でよく誘ったなと思います。あの頃の無鉄砲さが良かった。
ナガマツ 当時から自分から行くタイプじゃなかったんですけど、バンドはしたかった。(ヤマグチは)明るくていい人だなと。誘ってもらってうれしかったですね。リクは当時からかわいい後輩です。
イワオ (2人は)ちょっとこうやんちゃ感があって目立ってましたね。「お近づきになりたいな」と思っていました。
共鳴するように2人が出会い、12年に結成。15年にイワオが加入した。
イワオ 後から入ったので客観的に見てた時期もあって、圧倒的なボーカルとフロントマンと言っても良いぐらいなドラムをたたくカリスマ性がすごいと思っています。
地元を拠点に活動を始め、16年に「FUJI ROCK FESTIVAL」、17年に「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」に初出演。大型音楽フェスの常連となり、23年には「キタカゼ」が人気テレビアニメ「僕のヒーローアカデミア」のエンディングテーマに起用されるなど、着実にキャリアを重ねてきた。9月からは全国21カ所をまわるツアーが開幕する。そのファイナルとして、バンドの聖地・日本武道館に立つ。
ナガマツ 先輩や歳が近い人たちの武道館ライブを見に行ったりして、あっこ(あそこ)でやれるのは良いな、やりたいなって気持ちはずっとありました。
ヤマグチ ちょっとまだ人ごとなんですよね。やれるかもって思ったのが割と俺の中では最近です。ライブや曲の完成度が上がってきたタイミングでもあって、これで戦えるだろうなって思うようになりました。
武道館公演のタイトルはナガマツが「正夢」と題した。大ステージはゴールではなく、次につながる“通過点”だ。
ナガマツ その先があるための武道館にしたいです。分かりやすく言うと、大きい会場とか横浜アリーナとかでもやりたいし、そこから続けていけるようなバンドになれるように。(音楽番組も)あるものは全部出たいです。
イワオ ライブハウスでずっとやっていたので、その感じはちゃんと残していきつつ、大きいところでもやれるようなバンドがやっぱりかっこいいと思うんで、そうなりたいですね。
定評のあるラブソングは、バンドの大きな武器になる。今後、音楽シーンの中でどのような存在を目指すのか。
ナガマツ そこ(ラブソング)が入り口になってくれたらいいなと思っています。俺らにはかっこいい曲もあれば激しいのもあったり、もっといろんなラブソングもあるんで、それを知ってもらえる入り口になってほしいなと思います。自分では、もっと良いって言われていいと思っていますし、早くそうなりたいな、認めろって感じはずっとあるんで。今回の(バズり)も、そのきっかけになればうれしいです。スリーピースでかっこいいバンドがいるって、もっと存在感を出したいなと思っています。
イワオ 進化し続けられたらいいなと思います。ロックバンドやってるんで、かっこよく売れたらなと思っています。
ヤマグチ 俺のモノマネタレントが出てくるまで頑張りたいです!1回、キレるフェーズとか作りますけど(笑い)。プラン、考えてます!
3人で肩を組みながら、正夢の数を増やしていく。
◆SIX LOUNGE ヤマグチユウモリ(Gt./Vo.)ナガマツシンタロウ(Dr./Cho.)イワオリク(Ba./Cho.)からなる3人組。全員が大分県立芸術緑丘高校声楽家出身で同県在住。18年にミニアルバム「夢うつつ」でメジャーデビュー。



