映画「時には懺悔を」(8月28日公開)完成披露試写会が29日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われた。冒頭で、中島哲也監督(66)が自身の過去作における問題によって、18年「来る」以来の新作として当初、25年6月に予定されていた公開が1年2カ月も延期されたことについて、謝罪した。
中島監督は黒の帽子をかぶり、神妙な面持ちで客席に向かって一礼し、登壇。「ご存じの方もいらっしゃるると思いますけど、私のことで映画の上映が、ずいぶん延び、この映画の完成と上映を楽しみに待っていらっしゃったお客さんに、すごく迷惑をかけたことを、心から本当にお詫びいたします。どうも申し訳ありませんでした」と謝罪の言葉を述べ、頭を下げた。その上で「今日はやっと、これだけ多くの方に、見ていただける。信じられないくらいうれしい」と静かな口調ながら、喜びをかみしめた。
「時には懺悔を」は、25年1月1日に製作・公開が発表された。その段階から、14年の監督作「渇き。」に出演した女優との間で性暴力シーンを巡るトラブルがあったと報じられ、中島監督から説明、コメントが一切、出されておらず、対応を疑問視する声が上がっていた。報道では、女優は性暴力シーンを了承しつつ、バストトップを露出する描写はNGという前提だったものの、不本意な形で撮影が行われ、編集でカットするとの説明がありながら、関係者試写ではそのまま上映され、協議を重ねたが薄いぼかしがかかっただけだったため、自殺未遂を繰り返し、芸能界から去ったなどと報じられていた。
25年1月21日に、中島監督がnoteを開設し、一連の経緯を説明し「事前に監督である私が直接話し合う機会を持たなかったことがこのような事態を引き起こした大きな要因であると、私は認めざるを得ません」などと謝罪。その上で、同3月に都内で試写会を開いた。ただ、同4月に製作委員会は「今後も決して同様のことが起きないよう万全の対策を取るべきであると痛感し、この問題をさらに詳しく調査、検証すべきであるという思いに達しました」と説明し、公開時期を26年に延期した。
2月には製作委員会が「監督より、コミュニケーションが十分ではなかった点、特に編集作業において直接確認をしなかった点など、監督としての配慮が至らなかった点について謝罪がなされました。これを受け、最終的に双方の間で和解が成立したことを確認いたしました」と中島監督と女優との和解を発表。3月に新たな公開日を発表していた。
「時には懺悔を」は、打海文三氏の小説と約20年前に出会い、重度の障がいを抱える子どもを通して描く、親子の絆の物語を実写映画化した。中島組初参加で主演の西島秀俊(55)が、息子を数年前に亡くし、自責の念を抱きつつも、
不器用でひねくれた性格から酒に逃げて前に進めずにいる独立探偵・佐竹三雄を演じた。佐藤二朗(57)が演じる、「死んだほうがマシな人間」と呼ばれた同業者の米本が殺され、調査する。その中で、殺された米本が死の間際に調査していたのは、宮藤官九郎(55)が演じた9年前に失踪し今は父親の明野と、2人暮らしする重い障がいを持つ少年・新の父子と出会う。
劇中には、特別な支援が必要なスペシャルニーズと呼ばれる、重い障がいを持つ子供たちが出演する。中島監督は「20年前に原作に出会って、ほとんどの人にシリアスすぎる話で、障がい児の方に出ていただく映画は不可能と否定された。この時代になって、若いプロデューサー、キャスト、スタッフが、この企画を面白いと感じていただき、やるべきだと映画化に向かって、ちょっとずつ進んで行った印象」と映画化の経緯を語った。その上で「僕1人、頑張って必死でやったのでは全然なく、上映し、皆さんに見ていただきたいという、いろいろな方の思いが完成させたんだと思う」と製作に関わった関係者に感謝。「見ていただければ分かると思いますが、俳優も、スタッフも、ものすごい魂込めて演じ、撮影しておりますので、喜んでいただけたらいいなと思います」と語った。
この日は西島をはじめ、黒木華(36)宮藤官九郎(56)柴咲コウ、片岡鶴太郎(71)が登壇した。
◆「時には懺悔を」 「死んだほうがマシな人間」と呼ばれた探偵・米本(佐藤二朗)が殺された。元同僚の一匹おおかみ・佐竹(西島秀俊)と、助手で修行中の聡子(満島ひかり)は調べを進めるうちに、9年前に起こった新生児誘拐事件にたどり着く。殺された米本が死の間際に調査していたのは、9年前に失踪し今は父親の明野(宮藤官九郎)と2人で暮らす、重い障がいのある少年・新だった。
◆「時には懺悔を」 「死んだほうがマシな人間」と呼ばれた探偵・米本(佐藤二朗)が殺された。元同僚の一匹おおかみ・佐竹(西島秀俊)と、助手で修行中の聡子(満島ひかり)は調べを進めるうちに、9年前に起こった新生児誘拐事件にたどり着く。殺された米本が死の間際に調査していたのは、9年前に失踪し今は父親の明野(宮藤官九郎)と2人で暮らす、重い障がいのある少年・新だった。



