歌手でタレントのあのが23日、都内で、36分のショートアニメ映画「しらぬひ」(片野坂亮監督)公開記念舞台あいさつに出席した。

同作は暗い海に浮かぶ一筋の光=しらぬひのように、見つけてもらえない誰かを照らし、憎しみの奥底で消え入りそうな心をそっと抱きしめる愛の物語。主人公で10歳の少年、湊の声を担当する。

声優は2回目で、少年の声は初挑戦。オファーを受け「すごく驚いた。大人の女性ですから」とほほ笑むと、「不安もありつつ、僕ができると思っているからのオファーで、可能性を感じてくれているのがうれしかった」と感謝した。

「湊と重ねてくれたのかなと思うと、僕がやる意味をしっかり出していけるように務めたい、と覚悟が決まった」と台本を読んだ際の心境を明かした。

家での練習は「毎回泣いちゃうんです。涙がとまらない」とし、「それくらい痛くて、目を閉じたくなるけど、(現実世界の)どこかにそういう子どもがいると思うので、僕も含め大人は生半可な気持ちではやっていけないと思った」と語った。

同作が商業映画デビューとなる片野坂監督(39)からは、声優ぶりを「湊として生きてくれた」と称賛された。この日ともに登壇した声優花澤香菜からは「2回目と聞いてびっくりした」、三木眞一郎からは「いるんです、そこに、存在が。魂みたいなものが声に乗っている。ハードルは上げていない。見れば納得してくれると思う」と、最大級の賛辞を送られた。

あのは「それぞれの境遇が映し出されているので、見終わった後、必然的に自分と向き合うことになると思う」とすると、「どんな感想をいただけるのか楽しみ」とした。その上で、「酷な描写もあるけど、いろんなところにちりばめられたキラキラとか、音楽もすべてひっくるめて楽しんでいただければと思います」とアピールした。