女性ハードロックバンド「SHOW-YA」が8月30日、東京・浅草花劇場で、デビュー日前日ライブ「青春とはなんだ!」を開催。同ライブを取材させていただいた。
アンコール後、最後の曲「FAIRY」を演奏する前に極めてまれな光景を目にした。ボーカルの寺田恵子(63)がMCをすると、その声は震えていた。「えっ!?」と思い、原稿を打っていたパソコンの手を止めステージを確認すると、その目には涙が浮かんでいた。声を震わせつつ、ファンへの感謝を一気に語ったのだ。こんな光景は今まで見たことがなかったので、おじさん記者にとっては強烈に印象的なシーンとして脳裏に焼きついた。
それと、同時に興味をもったのが「FAIRY」前に行う恒例の“ツンデレMC”だ。同曲演奏の前、さんざん客席をあおった後に、寺田が「うるさい!」と一喝してから演奏に入る。「あの涙声でやれるのか?」。そんな思いで見守ったが、そこはさすがに歴戦のツワモノ。しっかり、いつもとなんら変わらぬテンションであおり、同曲を披露したのだった。
終演後、わずかな時間だったが、メンバーにあいさつする機会をいただいた。寺田に「泣いちゃいましたね…」と伝えると、「泣くつもりはまったくなかったのに!」と照れ笑い。ライブ中でも同様のコメントをしていたが、ステージとはまた違う照れ笑いに、飾らない寺田恵子を見たような気がした。
同ライブ前、バンドのメンバーにインタビューを実施した。“寺田恵子脱退劇”および“オリジナルメンバー復活劇”についても、改めて聞いた。昨年9月、寺田のみのインタビューでも聞いている。だが、記者として、「これは寺田だけの言葉でいいのか?」という思いがあった。そこでメンバーへのインタビューをオファー。実現するまでに約1年かかってしまったが、メンバーそれぞれの思いを聞くことができた。ギターの五十嵐美貴(63)、ベースの仙波さとみ(62)のぶっちゃけトークも飛び出し、寺田が慌てるシーンもあった。
実は、寺田の涙の一因には「あのインタビューがあったのでは?」と勝手に思っている。さすがに、これを本人に確認するのはヤボなので、おじさん記者の勝手な想像のままになるだろう。
女性ハードロックバンドの先駆けとして、デビュー42周年に突入。途中いろいろとあったが、今もあり続けること自体が奇跡だ。寺田はいう。「10代、20代だけが青春ではない。60代、70代、後期高齢者になっても青春していいよね!」。 心は青春。だが体は「老体にむち打っている状態」という。実際、メンバー全員が還暦超え。だが、そんな年齢は全く感じさせないパワフルなライブから、ファンは間違いなくさまざまなものを受け取っているはずだ。
「死ぬまで青春」。実にロックミュージシャンらしくない言葉だが(笑い)、SHOW-YAの青春を、今後も見届けていきたい。【川田和博】



