SixTONES松村北斗(31)が、映画「まだ見ぬ君へ」(山岸聖太監督、27年4月2日公開)に主演することが4日、分かった。
司法試験に落ち続け、引きこもり生活の中、リモートでつながった目の見えない依頼人に、目の前に広がる情景を音声で伝える、厚生労働省の副音声システムの、モニターのアルバイトを始める陽介を演じる。東京にいる陽介が“目”となり世界を共有するうちに、徐々に引かれ合っていく北海道・函館に暮らす望海を堀田真由(28)が演じる。
物語は、薄暗い部屋のパソコンに向かい「前方に、障害物なし。左右に、桜が咲き乱れている」と静かに語りかける陽介の声で始まる。「依頼人のプライバシーには一切立ち入らず、依頼人の目に徹すること」というルールの下、1日30分、リモートでつながり、望海の視界になることで、陽介の世界は鮮やかに色づき始める。一方で光を失い、生きる希望を見失っていた望海も「もう少し、この世界を見たい」と希望を見出し、陽介も「僕は君に会いたい」と思いをあらわにし、2人は引かれ合っていく。
松村は「架空の物語でありながら『世界のどこかで本当にあったのではないか』と思えるほど、リアリティーがあり、登場人物たちが懸命に生きる温かい世界観そのものに強く引かれました」と、大林利江子氏の原作小説「副音声 まだ見ぬ君へ」(河出書房新社)を読んだ印象を語った。
脚本は、脚本家でもある大林氏が自身の小説を脚本として再構築した。堀田は「初めて脚本を読ませていただいた時、優しい物語に心を打たれました。これまでラブストーリーにはどこか気恥ずかしさを感じていましたが、この物語にはそんな気持ちを越えて飛び込んでみたいと思わせてくれる力がありました」と振り返った。
撮影は3月下旬~5月上旬にかけて東京と函館で行った。マイクを通して情景を紡ぐ「僕の声」と「彼女の視界」という一人称視点の映像を副音声が彩る斬新な映像表現にも挑んだ。松村は「声と視界だけでつながるふたりの微妙なすれ違いや、もどかしい距離感は、深く心を動かされると思います」と作品を評した。
松村と堀田、大林氏と山岸聖太監督と、企画プロデュースのテレビ朝日貴島彩理プロデューサーのコメント全文は、以下の通り。
松村北斗(陽介役) お話をいただいて、まず「副音声」というなじみのある言葉でありながら、どのような内容なのかつかめない原作タイトルが非常に印象的でした。原作を拝読して、架空の物語でありながら「世界のどこかで本当にあったのではないか」と思えるほど、リアリティーがあり、登場人物たちが懸命に生きる温かい世界観そのものに強く引かれました。声と視界だけでつながるふたりの微妙なすれ違いや、もどかしい距離感は、深く心を動かされると思います。
物語の結末を迎えたあとも、ふたりの未来や周りの人たちをずっと応援したくなるような作品になっていますので、ぜひ見ていただけたらうれしいです。
堀田真由(望海役) 初めて脚本を読ませていただいたとき、一筋縄ではいかない人と人とのつながりや、その中に宿るぬくもりを描いた優しい物語に心を打たれました。
これまでラブストーリーにはどこか気恥ずかしさを感じていましたが、この物語にはそんな気持ちを越えて飛び込んでみたいと思わせてくれる力がありました。
望海と向き合う日々の中で、目には見えないものを感じ、信じることの豊かさに触れながら、一つひとつのシーンを大切に紡ぎました。生きていれば、前を向くことさえ難しい日がどうしてもあると思います。そんなとき、誰かの何げない言葉や優しさに救われることがあります。映画にも、そんな力があると信じています。
この作品が、見てくださる方の心に寄り添い、明日を生きる小さな力となれば幸いです。
大林利江子氏(原作・脚本) うまくいかないとき、自分で自分の世界に呪いをかけてしまうことがあります。
それでも誰かとつながることで、世界にもう一度色が差していく。そんな思いを込めた作品です。
すばらしいスタッフ、キャストの皆様のお力によって、この作品が映画化されることを大変うれしく思い、心より感謝しております。物語を書いたのは随分前ですが、AIが大きく進歩した今だからこそ、伝わるものもあるように思います。函館の風景の中を歩くように、映画の世界を楽しんでいただけたらうれしいです。
山岸聖太監督 監督を務めました山岸聖太です。ネットに触れれば見たくないものまで見えてしまい、どんなことも可視化されてしまう昨今です。だからこそ、視えないことが心を引きつける。見えないから、より思う。そこから勇気を出して踏み出す一歩がお互いを高め合う。この二人の物語は、今の時代だからこそ描く意味があるのかもしれません。函館のはかない空気と共に、陽介と望海の行く末を見守って頂けたら幸いです。そして、この作品で描かれる「副音声制度」が現実になることを心から願っています。
貴島彩理氏(企画プロデュース) 今作は、助けてと素直に言えない頑張り屋さんたちが、助けてと“誰かに頼る強さ”を見つける物語です。
現代人は力を抜くのがへたくそで、自分を追い詰めてしまいがちです。人生を失敗したと感じたり、泣きたいのに涙の流し方を忘れてしまう人もいるはず。
でも深呼吸をして周りを見渡せば、味方でいてくれる誰かの存在に気付けるかもしれません。
肩の力を抜いて眺めたその場所は、意外にも愛にあふれているのではないでしょうか。
この映画が、まだ見ぬ“自分の素敵さ”に、気づくきっかけになればうれしいです。



