ピン芸人日本一決定戦「R-1ぐらんぷり2009」の決勝戦が17日、東京・台場のフジテレビで行われ、6回目出場の中山功太(28)が優勝した。

 敗者復活戦からの2人を含む10人の決戦は、序盤から高得点が続出した。3番手バカリズムの採点では、審査員の清水ミチコが100点満点を付け、700満点で672点。そのまま優勝する勢いだったが、直後のエハラマサヒロがさらに3点上回る。バカリズムのぼうぜんとした顔は、素の表情だった。

 終盤は、COWCOW山田與志、あべこうじら、R-1常連組がそろい、7人の審査員全員が90点以上を付けるネタが続いた。それでもエハラを上回る得点は出ない。最後の10人目、中山は、時報に合わせて「まもなく○○な人をお知らせします」という、あるあるネタで挑んだ。

 結果は683点。2位に9点差をつけ、中山は「僕?

 よっしゃーっ!!」と絶叫し、事務所の大先輩でもある審査員の桂三枝に抱きついてしまった。生放送中に講評を聞く時間がなくなるほど、しゃべり続けた。「R-1のことだけ考えて5年、6年やってきた。家帰って泣きたい。取るって言って、言霊(ことだま)にした」。

 R-1にかけてきた意気込みが、中山をここまで喜ばせた。これまで3回決勝に進んだが、優勝できなかった。「最後は精神論の方に行きまして、ホットヨガやったり、1人でオセロやったり、座禅組んだり、鳥になったつもりになったり、13キロ減量したり…」と、追い詰められた。ストイックな性格は薄毛も進行させた可能性がある。「つむじから生え際まで指1本分しかない」そうで、マネジャーも「心配して(薄毛に)なったかもしれませんねえ」と語る。

 努力は実った。賞金500万円は、実家の事業が倒産し、抵当になった自宅を買い戻す頭金にする。現在のレギュラー番組はすべて関西地区限定だが、生放送終了から30分で10本以上のオファーがきた。人気は一気に全国に広がりそうだ。

 [2009年2月18日2時33分]ソーシャルブックマーク