大みそかの「第60回NHK紅白歌合戦」に、歌手井上陽水(61)が「目玉」として初出場することが14日までに内定した。陽水はNHKからの長年にわたる出演依頼に「恥ずかしいから」と断り続けてきたが、今年がデビュー40周年で、NHK総合や教育テレビで自身の特集が組まれた関係もあり、出場を決めたという。紅白の60回記念回の年に、陽水が初出場を決めたことは、昨年のMr.Childrenに続く大きな話題を呼びそうだ。

 陽水がついに紅白に出演する。16年以上も続いたNHKの熱意を受け入れることになった。

 陽水はNHK朝の連続テレビ小説「かりん」の主題歌「カナディアン・アコーディオン」を担当した93年、NHKから熱烈な紅白歌合戦出場依頼を受けていた。関係者によると、当時、本人も出場を検討してみたが、最終的には「恥ずかしいから」と断ったという。NHKはあきらめず、第一線のシンガー・ソングライターにオファーを続けたが、陽水は固辞の姿勢を貫いてきた。だが、ここ2、3年は「今年は出る気がない。今後の紅白の出演を検討する」と、徐々に言葉が軟化しつつあったという。

 今年は、陽水がデビューして40周年の記念年だ。そこに着目したNHKは、教育テレビで8月に「LIFE

 井上陽水」を4夜連続で放送。1夜54分で、陽水のロングインタビューのほか、水谷豊、スガ・シカオら陽水と縁のあるアーティストもインタビュー出演した。また、11日からは総合テレビ「SONGS」(水曜午後11時)で4週連続での陽水特集が始まった。特番を通じてスタッフとのきずなも深まったこと、紅白の60回記念の年に、自身の40周年が重なったこともあり、紅白初出場を決意したという。

 昨年は、Mr.ChildrenがNHKの北京五輪テーマ曲が縁で初出場を果たした。紅白の60回記念年に、NHKは昨年に勝るとも劣らない「目玉」を出場させたい強い意向もあった。当日に陽水が東京・渋谷のNHKホールに立つか、中継になるかは未定だが、出場自体がサプライズ。紅白記念年を飾るにふさわしい演出が期待される。

 [2009年11月15日10時0分

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