かつて「ピンク映画の女王」といわれた元女優、松井康子容疑者(73)が、詐欺の疑いで、高知県警清水署などに逮捕されていたことが17日、分かった。同署によると、容疑を否認している。

 逮捕容疑は、07年9~10月、戦後復興のための裏金とされ、実態不明の「M資金」を運用しているなどと資産家を装って高知県土佐清水市に住む男性(56)に近づき、海外への渡航費用として200万円をだまし取った疑い。

 同署によると、松井容疑者は、共通の友人を通じて男性と知り合い、政府が極秘に管理しているM資金に関与する資産家であるかのように振る舞っていた。

 その後07年9月から10月12日ごろまでの間に複数回男性と接触し、「隠し財産を移す関係で海外に行かないといけない。そのために200万円を準備しなければならず、用意してもらえれば助かります」などと、松井容疑者名義の銀行口座に入金させたという。

 入金後、男性は再三返済を求めたが、松井容疑者が応じなかったため、09年10月21日に男性から「貸した金が返って来ない」と警察に相談があり、被害届が出されていた。同署は、ほかにも被害者がいる可能性が高いとみて捜査をするという。

 松井容疑者は、1960~70年代に150本以上の成人映画に出演し、「ピンク映画の女王」と呼ばれた。一般作品では68年、今村昌平監督の「神々の深き欲望」で三国連太郎(89)と共演。76年に大島渚監督(79)の「愛のコリーダ」に出演した。その後も77年の「肉体の悪魔」など日活ロマンポルノの作品やテレビドラマに出演したが、80年以降は公の場から姿を消していた。

 ◆松井康子(まつい・やすこ)1938年(昭13)10月3日、東京生まれ。学習院大在学中に松竹にスカウトされ、59年の映画「パイナップル部隊」で女優デビュー。豊満な肉体を披露し、150本以上のピンク映画に出演した。「牧和子」という芸名も使用。