今年の一大政治決戦となる夏の参院選は、投開票日が7月20日とも27日ともいわれる。通常国会期間が6月22日までと設定された時点で、延長がない場合、3連休中の中日の20日を投票日とする案が有力。ただ連休中に投票日を設定することは、組織票を持つ与党に優位に働きかねず姑息(こそく)ではないかと、野党は反発。それでも、仮に20日を投開票日とした場合の公示は7月3日となり、残り2カ月ちょっとしかない。大型連休が明けると、参院選、その前哨戦となる6月の東京都議選(13日告示、22日投開票)に向けた各党、各候補者の動きが本格モードに入ることになる。
その参院選で毎回、大激戦となるのが、全国の選挙区で最多の改選数6の東京選挙区。すでに候補者擁立を表明した政党や政治団体もあれば、調整中のところもある。同選挙区の改選議席は6だが、今回だけは任期半分の3年の1議席が加わり、7議席を争う戦い。任期が半分の7議席目は、非改選議席の残り任期を務める議員を補充するためのもので、「合併選挙」と呼ばれる。得票数が6位になるか7位になるかで、任期が6年になるか3年になるかが決まるため、候補者には「天と地ほどの差」(参院関係者)になる。
今回、なぜこんな状況になったかといえば、前回2022年の東京選挙区で4度目の当選をした立憲民主党の蓮舫氏が昨年の東京都知事選に立候補し、自動失職したことに伴う。公職選挙法では、参院の選挙区は欠員が改選定数の「4分の1超」の場合に補選を行うとしているが、東京選挙区は改選数が6のためこの条件に当てはまらず、補選ではなく、蓮舫氏が持っていた議席の任期半分を務める議員を補充する形の立場となる。
3年前の2022年参院選でも、今回と同様の合併選挙が、神奈川選挙区(改選4)で行われた。2019年参院選で当選した日本維新の会の松沢成文氏が、2021年の横浜市長選に出馬して自動失職したため。松沢氏は市長選に当選できず、結局、合併選挙となった22年参院選に出馬し、2位の得票数で再び議席を得ている。この合併選挙で5位となったのは、立憲民主党の水野素子氏。この時が初当選だった水野氏は、任期3年で今回再び、参院選に臨むことになる。
神奈川選挙区は、改選4の選挙区に与野党が候補を擁立する激戦区の1つだが、立民は本来の改選議員である牧山弘恵氏も擁立する。改選数が2以上の複数区に同じ党の候補者が2人擁立されるケースはあるが、立民の現在の党勢を踏まえると、今回の2候補の「競合」は厳しい戦いになるとの見方もある。
永田町関係者は「3年前の神奈川は、松沢氏が市長選出馬で参院議員を辞めたことで、合併選挙になった。今回の東京は蓮舫氏の都知事選転出。任期が半分となれば、候補者は本来の任期6年を見すえた活動の戦略が変わってしまう。とにかくその『0・5議席』の順位にならないよう、合併選挙になる選挙区の候補者は、とにかく必死にならざるを得ない」と話す。
今回は東京選挙区で、任期6年になるか3年になるかの戦いが待ち受ける。今回、本来は改選だった丸川珠代氏は、昨年の衆院選にくら替え出馬し落選。自民党はすでに公認している現職と、もう1人の候補者の擁立を調整しているが、一時「内定報道」が出た元NPO法人代表は過去の自民党政権に対する発言が問題視されて最終的に見送りになるなど、混乱が続いている。自民党は最近の東京選挙区で2議席を死守してきたが、今回は危ぶむ声もある。関係者によると、2人目には女性候補の名前が複数浮上しているという。
東京選挙区にはすでに立憲民主党、国民民主党が2人を擁立。共産党、社民党に加え、石丸伸二氏が立ち上げた「再生の道」も候補者を発表した。日本維新の会や、れいわ新選組も候補を擁立するとみられ、もともと激戦区のところでのさらなる大激戦。そこで、得票数6位と7位の候補者には1議席を得るか「0・5議席」となるか、明暗が分かれることになる。【中山知子】(ニッカンスポーツ・コム/社会コラム「取材備忘録」)


