男子バレーボール部での約2年にわたるいじめが原因で心的外傷後ストレス障害(PTSD)によるうつ状態になったとして、県立岡山東商業高校を今月卒業した男性(18)が29日までに、当時の部員6人とその保護者に計550万円の損害賠償を求めて岡山地裁に提訴した。提訴は28日付。

訴状によると、男性は2021年6月ごろから、所属していたバレーボール部の先輩や同級生ら6人に殴る蹴るなどの暴力を受けたり、「きもい、うざい」と言われたりするようになった。位置情報アプリで居場所を監視されたこともあったという。

県教委は男性の母親の訴えを受けて、重大ないじめ事案と認定。同校は22年4月に被告の1人を3日間の謹慎処分、23年8月に部を10日間の活動停止処分としたが、いじめは続き、男性は同9月不登校となり、その後、PTSDによるうつ状態と診断された。

男性の母親は弁護士を通じ「同じ人間がすることとは思えない。本人は前を向こうとしているが、謝罪はない」とコメントした。

同校の男子バレーボール部は県内で強豪として知られる。同校は「訴状が届いておらずコメントできない」としている。(共同)