東芝が国内の従業員を数千人規模で削減する検討に入ったことが17日、分かった。本社の総務など間接部門を中心とし、人件費の軽減を図る。5月中旬までに取りまとめる中期経営計画に盛り込む。インフラやエネルギー、デジタル分野など成長を見込む分野に経営資源を集中する。東芝の国内従業員は約6万7000人(2023年12月末時点)。

東芝は日本産業パートナーズ(JIP)を中心とした国内連合の買収案を受け入れ、昨年12月に非上場となった。上場廃止後に公表した23年4~12月期連結決算では、純損益が1070億円の赤字(前年同期は840億円の黒字)に陥っており、経営再建を急ぐ。

東芝は買収案受け入れに関連した約2兆円の費用のうち、銀行団からの融資で賄った1兆2000億円の返済義務を負っている。経営計画では、固定費削減など抜本的な収益改善策を導入する方針だ。人員削減を含め「具体的な施策について現時点で決定した事実はない」とのコメントを発表した。

一方、東芝は約340億円を投じて川崎市に新たな研究開発拠点を設け、今春闘で1万3000円のベースアップも決定した。重点領域には積極投資し、企業価値を高めたい考えだ。東芝の島田太郎社長は、本業のもうけを示す営業利益が売上高に占める割合について、10%に改善する方針を昨年12月に示している。23年3月期は3・3%にとどまっていた。(共同)