財務省の佐川宣寿理財局長は28日の参院予算委員会で、国有地の所得問題の渦中にある学校法人「森友学園」の籠池(かごいけ)泰典理事長と理財局の担当者が昨年3月に、財務省で面会していたことを明かした。

 民進党の小川勝也議員の質問に、「昨年3月半ばに、担当者が面会したのは事実だ」と述べた。目的などには触れなかった。

 財務省が学園サイドとの面会を認めたのは初めて。

 一方、佐川理財局長は、学園サイドと近畿財務局の担当者らが、2015年9月4日に面会していた可能性も示唆した。

 24日の衆院予算委員会で共産党の宮本岳志議員が指摘した際、財務省サイドは「確認できない」としていたが、この日は、「打ち合わせ記録を入手している」として質問した民進党の舟山康江議員が、「(財務局側が)かなり具体的な便宜をはかっているような発言がある」と指摘。会談の内容の詳細をただした。

 佐川理財局長は「近畿財務局では面会記録は残されていない」とした上で、当時、学園では埋設物工事の最中であったことから、そのことに関する議論ではないかと推測。「この段階で、売却額の話が生じることはない」と述べた。

 双方の接触に関しては、共産党の宮本氏が質問で、学園の建設工事を請け負った業者2人と、近畿財務局、大阪航空局の各担当者計4人が会い、売却価格に関する交渉が行われたのではないかと指摘している。