東京都の小池百合子知事は3日、豊洲移転問題などを協議する新たな組織「市場のあり方戦略本部」の第1回会合で、「戦略本部の総点検を踏まえ、総合的な判断につなげたい」と述べた。今夏に予定する築地市場の豊洲移転の是非に関する判断は、同本部の提言を受けて行う意向を示した。

 豊洲市場の地下水モニタリング調査で、基準値を超える有害物質が検出されたことについて、「法律を超える高いレベルの対策を講じることが都民との約束だった」「約束が十分に果たされていないのが現状」とも指摘。今後、関係者へのヒアリングなどを行うが、豊洲移転推進を主張して小池氏と対立する自民党は、早期の判断を要求。7月の都議選前に判断しない場合、選挙戦で自民党の攻勢にさらされる可能性もある。

 公開が原則の小池流に反し、議事の中身は非公開。終了後、中西充副知事は、結論を出す時期は未定とした上で、「知事には集中的にやってほしいと言われた」と述べ、結論を急ぎたい小池氏の思惑を示唆した。