将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太四段(14)がまた、無傷の連勝記録を更新した。10日午前、東京・将棋会館で指された叡王戦予選で梶浦宏孝四段(21)を破り、公式戦の連勝記録で丸山忠久九段(46)と並ぶ歴代2位の24連勝。続く夜の都成竜馬四段(27)との対局も勝利し、単独2位となる25連勝を達成した。

 叡王戦は今期からタイトル戦に格上げされ、予選の持ち時間は各1時間。この日の1局目では苦しい場面もあったが、見事に寄せきった藤井四段は「ここ(24連勝)までくるとは思っていなかった。自分でも信じられません」。続く午後7時からの都成四段との対局は「序盤から難しい将棋だった」と振り返りながら「何とかよくなった。(25連勝は)本当に幸運でした。うれしいです」と話した。

 藤井四段は7日、1日3局のハードスケジュールを勝ち抜き、第一人者の羽生善治3冠(46)らを抜く歴代3位となる23連勝をマークしたばかり。中2日で臨んだこの日も2勝と、2日で一気に5つの白星を積み上げた。神谷広志八段(56)が1987年に達成した連勝記録1位の「28」まで、あと3つ。「28連勝はまだまだ遠いと思います」と謙虚に話す中学3年生が、将棋界の歴史を変えようとしている。