安倍晋三首相は19日、通常国会閉会を受けて会見し、加計学園問題などをめぐる国会審議での自身の発言について反省の弁を繰り返した。「印象操作のような議論に、強い口調で反応した姿勢が結果的に、政策論争以外の話を盛り上げた。深く反省する」と述べた。

 報道各社の世論調査で、内閣支持率が急落。不支持が支持を逆転した調査もあり、「安倍1強」が揺らぎ出したことを踏まえた対応とみられる。「反省し、国民の信頼を得られるよう冷静に丁寧に説明したい」と述べ、「総理のご意向」などと書かれた文書の調査で、判断が後手に回り対応が二転三転したことも「政府への不信を招いた。率直に反省したい」と認めた。

 反省の弁の半面、「建設的議論から離れ、批判の応酬に終始した」「政策とは関係ない議論に多くの時間が費やされた」と通常国会を振り返り、民進党など野党の対応を批判。友人が理事長を務める同学園の獣医学部新設計画については、「専門家の育成や獣医師の確保は喫緊の課題」と正当性を強調。国会審議を通じて浮上した疑問への答えは、なかった。「岩盤規制改革は、行政をゆがめるのではなくゆがんだ行政をただすもの。それを進めるのは総理大臣としての意思だ」と、あくまで岩盤規制改革の一環だと主張した。