任期満了に伴う仙台市長選は23日投開票され、民進党などが支援した同党の元衆院議員、郡(こおり)和子氏(60)が、自民党が支持した菅原裕典氏(57)ら3人を破り、初当選した。自民党は、歴史的惨敗を喫した2日の東京都議選に続く与野党対決の地方選で、痛恨の2連敗。安倍政権には大打撃だ。有権者の「安倍NO」の空気が、あらためて浮き彫りになった。

 都議選は、小池百合子都知事が最前線で応援した「都民ファーストの会」という新たな「受け皿」へ、自民批判票が流れたが、今回は、既成政党同士の対決だ。郡氏は元アナウンサーで知名度は高い。それでも、自民は、国政での支持が伸び悩む民進党の候補すら敗れず、都議選以上のダメージだ。菅義偉官房長官や二階俊博幹事長が応援に入ったが、街頭には立たず、総力戦にはほど遠かった。

 加計学園問題や、南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題での稲田朋美防衛相の対応が影響したのは確実。30日には菅氏の地元横浜市の市長選が控え、同様に結果が注目される。

 24、25両日には、衆参の予算委員会で加計&日報問題の閉会中審議が行われる。安倍晋三首相や稲田氏らの説明が不十分なら、政権不信はさらに強まる。首相は来月の内閣改造で局面打開を目指すが、信頼回復の見通しは立っていない。