3日夕に東京・築地場外市場で店舗7棟が全焼するなどした火災で、被災した17店舗の関係者が6日、初めて火災現場に足を踏み入れた。当初、火元とみられるラーメン店は謝罪をした上で「被災者会議」への加入を辞退したが、他の16店舗が「同じ長屋で商売するのだから17店舗でなければ意味がない」として引き留めたという。この日は処理作業に向けての被害状況の把握と、今後の営業などに必要な帳簿など資料の回収が行われた。作業初日、本紙記者が同行した。

 火災現場となったアーケード商店街「もんぜき通り」各店の天井はすすで充満していた。「うわー、釣り銭の袋があったぞ」「ぬれてるけど帳簿は燃えてない」「スイカとモモは無傷だ」。火災後、初めて足を踏み入れた17店舗の関係者は、再び戻ってきたそれぞれの持ち物をさすりながら、抱きしめながら喜びの声を上げた。

 東京消防庁の現場検証が終わり、警視庁の規制線がようやく解除されたのは前日5日夜。同日に被害を受けた店舗の関係者らが集まって会議を開き、6日午前8時から一斉に火災現場に入ることを取り決めた。

 店舗前にブルーシートを掛け、店の備品はそのままにして、今後の商売に関連する帳簿などを確認して持ち出した。ブルーシートを掛けたのは、がれき処理を進める際の粉じんが飛ばないようにすることと、火災被害を受けていない他店舗が通常営業ができるための配慮からだ。