公式戦29連勝の新記録を樹立した将棋の最年少プロ、藤井聡太四段(15)が1日、ポートメッセなごや(名古屋市港区)で開かれた国内最大規模の子どもの将棋大会「将棋日本シリーズ テーブルマークこども大会」東海大会(日本将棋連盟主催)にサプライズ登場した。ステージ前には地元のスターを撮影しようと参加者が殺到した。

 小学3年のとき同大会で優勝している藤井は「緊張している方もたくさんいると思いますが、勝っても負けても将棋の楽しむ気持ちを忘れないでください」と先輩としてアドバイスを送った。昨年に比べ大会参加申し込みは1000人以上増えて約2500人。将棋ブームを引き起こした中学生棋士のサプライズ登場に地元は大いに沸いた。

 開会式後には報道陣の取材に答えた。小学2年のときには同大会の決勝で負け、盤を抱えて大泣きした伝説について「あのときは残念ながらミスで敗れてしまいましたが、悔しさがバネになりました」と笑顔を振り返った。

 現在、愛知県有数の進学校である名古屋大学教育学部付属中学3年生。中高一貫校のため、受験なしで付属高に進学できるが、高校進学か、将棋1本に専念するか迷っている。注目の進路については「未定です。じっくり考えていきたい」と結論は出ていないとした。この日はプロになってちょうど1年の節目を迎えた。「2年目は1年目以上の成長したいです」と抱負を語った。