「排除の論理」に反発し、新党「立憲民主党」を立ち上げた枝野幸男代表(53)が7日、日刊スポーツのインタビューに応じた。

 

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 -憲法改正が争点になるという声もある。

 枝野氏 そういうことおっしゃる方はおっしゃる方で自由ですが、私たちは国民生活が疲弊しているのを下から支えて押し上げる。民主主義が上からのトップダウンで機能しなくなっている。これも、草の根の民主主義で押し上げる。上からか、下からか。下から前に進んでいくんだ、と。ここが、たぶん国民のみなさまが求めていることであり、そこを争点として我々は打ち出す。そこを憲法と言う方がいれば、それは俺たちの感覚と違うよなあ、と。憲法を争点にすること自体が争点じゃないかなと思います。

 -立憲民主党は「改憲勢力」なのか

 枝野氏 難しいですが、護憲ではない。一字一句変えてはいけないという立場ではない。よりよく変わるのであれば、変えるべき。ただ、よりよく変えなきゃいけないことが、今すぐあるということではない。

 -では「論憲」か

 枝野氏 論じた結果として、変えた方がいいとなれば変える。もし今、変える必要があるとすれば、もっとも可能性が高いのは僕は解散権の制約だと思います。本当に憲法を早く変えたいなら、この議論から始めるべき。これは今時、先進国では少数派で、これこそ時代遅れです。戦後レジームからの脱却じゃなくて、20世紀からの脱却。というか19世紀ですよ、自由な解散権というのは。

 -福山幹事長も比例の候補は若干名と言った。受け皿を求める人は多い。候補が足りなくならないか

 枝野氏 そうならないように。一方で「とにかく名前だけ載っければいい」とはならないし、それなりの人でないといけない。供託金も1人増やすたびに600万円掛かる。立ち上がったばかりの貧乏所帯には、600万円というのは大きい負担です。さすがにそういう方に自分で出してくれとは言えないから、そこのところでぎりぎり何人まで…というのは、昨日(6日)くらいまで悩ましい政治判断でした。

 -運動会時期の解散。枝野代表のお子さんは

 枝野氏 小学5年生です。今日も双子の1人の運動会でしたが、雨で明日に順延になりました。うちのカミさんは地元を私の代わりに回っているので、カミさんの妹が代わりに行ってくれるらしいです。お弁当を持って。4年間ずっと行っていたんですが、(今年は)運動会のことをすっかり忘れていた。それだけは、しょうがないです。

 -目標とする獲得議席は

 枝野氏 そんなことを考える余裕はないですね(笑い)。とにかく、僕らの目指すゾーンを受ける政党がないという国民の声にこたえたいとという思いです。このゾーンにいらっしゃる国民の方はものすごくボリュームあると思っているので、それを全部反映できる議席は今回、擁立が間に合わず、残念ながらできません。ですが、できるだけ多くのチーム、仲間として姿を見せることで、受け皿があるんだと、その次の選挙の時に安心していただけるような、そういう結果を出したいと思います。

 

 ◆枝野幸男(えだの・ゆきお)1964年(昭39)5月31日、宇都宮市生まれ。東北大卒。弁護士を経て93年、日本新党の公募で旧埼玉5区から初当選。当選8回。鳩山内閣で事業仕分けチームを統括。菅内閣で官房長官、野田内閣で経産相。家族は妻と2男。