希望の党代表の小池百合子東京都知事(65)が14日、古巣の兵庫6区(宝塚市、伊丹市、川西市中南部)へ“里帰り”し、自らの元秘書で希望新人として立てた幾村奈応子(いくむら・なおこ)氏(37)の応援に入り、阪急・宝塚駅前で演説した。

 今回の衆院選で初めての“帰郷”。「小池百合子、戻って参りました。あら、懐かしいお顔!」。旧知の顔を見つけ、満面笑みで手を振ると、聴衆は1000人近くに上った。

 かつては自分が出馬した選挙区。駅前マンションに住んでいたといい「あのマンションです。あそこに住んでいました」と指を向けて“地元”をアピール。95年の阪神大震災も同マンションで経験したといい「ドアが開かなかった。まさに阿鼻(あび)叫喚でしたよね。あの阪神大震災、皆さんとともに苦労し、乗り越えてきました。あれから、多くの方が試練を乗り越え、立ち直りつつあります」と、兵庫への愛着も重ねて述べた。

 政策の上では「私は消費税8%から10%へ、これをいったんストップ、凍結しましょうと申し上げています」と、身を切る改革での財源捻出により、増税を再考させたいと訴えた。「ぜひ、皆さまのお力をお貸しください。この幾村も十分、私のもとで実績を積んでおります」と続けた。

 自らの古巣に立てた幾村氏は、自民前職の大串(おおぐし)正樹氏(51)、維新元職の市村浩一郎氏(53)、元市議で立民新人の桜井周(しゅう)氏(47)と争い、決して優位には立てていない。

 小池氏の知名度こそ抜群だが、幾村氏には「落下傘」のイメージがつきまとう。小池氏は、幾村氏を「私の大事な大事な秘書官がなつかしい、なつかしい兵庫6区で立ち上がってくれました。結婚して、これから家族を持っていく中での決断です」と、自らの“分身”を紹介。05年から小池氏の秘書を務めてきた幾村氏も「間には第1秘書も務めさせていただき、(小池氏の)最も近くで学ばせてもらってきました」とあいさつした。

 宝塚駅前には、小池氏の初選挙から現在も後援活動を続けている池田幹雄氏(90)の姿もあり、池田氏は今回の衆院選で兵庫6区、幾村氏の選挙対策委員長も務めている。小池氏と再会後「彼女(小池氏)はうそをつかない。人間性がすばらしい」と絶賛したものの、幾村氏には「秘書といっても最近だから、直接は知らなかった。でも、小池さんが推すのだから」と、小池氏に全幅の信頼を置いていると強調していた。