衆院選を機に“4分裂”した元・野党第1党民進党は24日、党に残った参院議員が総会を開いた。希望の党への合流を目指すとしながら、党を分裂させた前原誠司代表への恨み節が噴出。前原氏の戦略を「失敗」と断じる声や、代表辞任はおろか「追放」を求める声もあった。党内の怒りを受け、前原氏は週内にも両院議員総会を開き、経緯を説明する方針。

 「(希望の党合流の是非を)代表一任にしたのは、絶対的に失敗だった。今後代表一任はあり得ない」。総会に出席した桜井充参院議員は、前原氏への不信感をぶちまけた。会は報道陣に非公開で行われ、前原氏は不在だったが、希望との合流に突っ走りながら、結果的に党を分裂させたことに対し、「反党行為」「除名だ」「早く辞めるべき」などの強い批判が起きた。

 先月28日の両院議員総会。前原氏は、衆院選で所属議員に党の公認は出さず、希望の党に公認申請をした上で戦う方針を表明した。希望側との交渉も含め、自身への一任を取り付けた。

 しかし、全員が公認を得られず、小池百合子・希望の党代表は、リベラル系に「排除の論理」を振りかざした。排除された勢力は、枝野幸男氏が結党した立憲民主党に集い、岡田克也氏らベテランは無所属で出馬。民進党に残った参院議員を含め、党は4つに割れた。無所属や立憲に参加した議員の多くは議席を維持したが、希望で出馬したメンバーの多くが、落選。総会では、前原氏が当初示した希望への合流方針の取り下げも伝えられたが、今後の党方針を前原氏が決めることにも、強い反発が出ている。

 民進党は現在、代表の前原氏以外、幹事長も政調会長も不在。11月1日には特別国会が始まる予定で、それまでに前原氏を「排除」すべきとの声も根強い。約1時間半に及んだ総会では、「怒り」を前原氏に直接伝えるため、党籍を残す無所属の議員も参加した両院議員総会の開催を求める声が噴出。その後、小川敏夫参院議員会長と党本部で会談した前原氏は「できるだけ早く開く」と述べた。週内にも開かれる見通しだ。

 蓮舫前代表は「代表がいる前で議論したい」と指摘した。希望への合流に関し、前原氏は小池氏の「排除の論理」を本当に知らなかったのか、それとも実際は気付いていたのか。代表選で表明した「ワン・フォー・オール(みんなのために)」は、まやかしだったのか。総会は「大荒れ」となりそうだ。【中山知子】