東京・銀座の中央区立泰明小学校が、高級ブランド「アルマーニ」がデザインした約8万円の新制服導入を決め、保護者らから批判が上がっている問題で、同小の和田利次校長(62)が9日、区役所で記者会見し、新制服の導入方針を「変えるつもりはない」と表明した。高額で購入できない家庭については「個別に相談させていただきたい」とし、公的な援助の手続き方法などを周知するという。バーバリーやエルメス、シャネルなどのブランドにも校長が単独交渉したというが、価格上限などの要件は定めていなかったという。

 中央区教育委員会が昨年11月末に、泰明小のアルマーニ導入を取りやめることができるか、可能性を探っていたことが9日、関係者への取材で分かった。

 これまでの標準服のメーカーはカンコー学生服。区教委によると、昨年の早い段階で、別メーカーの新制服が導入されると、カンコー側は泰明小の標準服を生産ラインから外し、在校生には在庫で対応すると決めていたという。昨年11月、保護者らから区側に「価格が上がり負担が大きい」などの苦情もあり、区教委がカンコー側に「従来の標準服を新入生向けに生産できるか」と相談したが、生産ラインに空きがなかった。