北朝鮮の三池淵(サムジヨン)管弦楽団が11日夜、韓国の首都ソウルの国立劇場で行った公演を見たという女性が、ニッカンスポーツコムの取材に応じ、女性音楽グループ「牡丹峰楽団」の団長として知られ、1月21日に韓国を訪問した事前視察団も率いたヒョン・ソンウォル氏が、公演で歌ったことを明かした。

 女性は19歳の劇場職員で、観客のアテンドなどの業務をしつつ、公演を見たといい「ヒョンさんが歌っていました」と語った。

 8日に平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)競技開催地の江陵アートセンターで行われた第1回の公演が、韓国国内の主要テレビ局で放送され、韓国、北朝鮮の楽曲のほか、世界各国の歌40数曲を歌ったなどと紹介されている。女性は、ソウルの公演について「公演の内容は江陵の時と変わらないと思う」と語った。その上で「(北朝鮮の人がソウルで)歌を歌っているのが信じられない、現実味がなく感じました」と率直な感想を語った。

 平昌五輪では、両国が統一旗を持って入場し、今回の公演が行われるなど、北朝鮮の“ほほえみ外交”などと韓国国内でも一部から批判があるが、女性は「統一するのは、いいことだと思う。自分は、まだ若いけれど、時間がたてば危険は減っていくと思う」と語った。その上で「北も、心を開いて話すべき。韓国は心を開いていると思う」と語った。【村上幸将】