連日のカタカナを合体させた新駅名発表は、明暗くっきりの様相だ。東京メトロは5日、日比谷線の霞ケ関~神谷町間に建設中の新駅名称を「虎ノ門ヒルズ」に決定したことを発表した。新駅は14年開業の超高層複合ビル「虎ノ門ヒルズ森タワー」と直結され、利用開始は20年東京オリンピック(五輪)・パラリンピック開幕よりも前の時期を見込んでいる。カタカナを合体した駅名は東京メトロでは初めて。銀座線虎ノ門駅と乗り換えが可能となる。

前日4日にはJR東日本が品川~田町間に山手線30番目となる新駅「高輪ゲートウェイ」を発表したばかり。JR東日本では都内初のカタカナとの組み合わせだったが、発表と同時に賛否両論が噴出した。翌日も余波は収まらず、「長い。違和感がある」など逆風にさらされた。対照的なのが「虎ノ門ヒルズ」だ。「まったく違和感がない。おしゃれ」と、街の声やネット上でも歓迎ムードだ。

「高輪ゲートウェイ」には一般公募130位(36件)から急浮上した過程に違和感を訴える声も上がっていた。東京メトロではインターネットで首都圏の約2000人を対象にした新駅名アンケートを実施し、約半数が「虎ノ門ヒルズ」を支持した。「まちと一体となった分かりやすい駅名にした。この日の発表は予定通りです」(東京メトロ広報)。両社ともに初ものとなったカタカナを合体させた新駅名。皮肉にも連日のお披露目となった対決は東京メトロに軍配か?【大上悟】