扶桑社の男性誌「週刊SPA!」が、昨年12月25日号で女子大などを性的にランク付けした記事を掲載した問題で、ランク付けされた実践女子大、大妻女子大、フェリス女学院大、法大、中大(東京都)が9日、公式サイトで抗議文を発表した。5大学が協調、情報共有しての動きで、実名を出されたこと以前に、女性蔑視の企画自体を問題視し、憤りをあらわにした。

「週刊SPA!」編集部が、昨年12月25日号で「ヤレる女子大学生RANKING」と題し、女子大生と性交渉に発展しやすい大学などとして順位付けした企画で、実名でベスト5にランク付けされた5大学が9日、一斉に抗議文を発表した。

企画は、男性が女性の飲食代を出した上で小遣いを渡す「ギャラ飲み」がはやっていると紹介したもので、インターネット上で扶桑社に対し記事の撤回と謝罪を要求する署名活動が展開されていた。編集部は7日に社会現象について特集したとした上で、女子大生と親密になりやすいと書くべきところを扇情的に表現したため「読者の気分を害する可能性のある特集になった」などと謝罪のコメントを発表した。

ただ、ランク付けされた5大学は黙っていなかった。実践女子大は8日に城島栄一郎学長名で扶桑社に、大妻女子大も9日に伊藤正直学長名で扶桑社の久保田栄一社長宛てに、それぞれ抗議文を郵送した。さらに5大学で協調、情報共有して9日に各大学の公式サイトに抗議文を公表した。実践女子大、大妻女子大、フェリス女学院大によると、扶桑社及び「週刊SPA!」編集部から個別の謝罪はないという。

フェリス女学院大の関係者は「大学の名前を出された以前に、女性を差別したり、さげすむことについて扱うこと自体が問題で、非常に残念。状況次第で今後の対応を検討したい」とコメントした。実践女子大の関係者は「学生に対しても大学として抗議を行ったと周知しました」と学生の精神面のケアにも取りかかかっていると説明した。