富山市で、警察官がまた襲われた。24日午後3時ごろ、富山市池多(いけだ)の富山西署池多駐在所で山本宏樹巡査部長(30)がハンマーや刃物などを持った男に襲われ、負傷した。山本巡査部長が男を取り押さえ、通行人の男性に110番を依頼。駆けつけた戸山西署員が殺人未遂の現行犯で逮捕した。

男は富山大の学生前田将輝容疑者(22)。山本巡査部長は頭部から出血し、救急搬送されたが、軽傷で会話もできる状態だという。

富山県警によると、前田容疑者は自転車に乗って「落とし物を届けに来た」と言って、駐在所を訪れた。山本巡査部長が書類を作成していたところ、頭を突然ハンマーで殴り、持っていたナイフのような刃物で顔などを切り付けたという。当時、駐在所にいたのは山本巡査部長だけで、家族は外出していて無事だった。前田容疑者は「襲ったことは間違いない」と容疑を認めている。

現場は北陸自動車道富山西インターチェンジや富山大病院のすぐ近く。畑が広がる一帯に住宅が立っている。近くに住む70代の男性は「顔面血だらけの警察官が男に馬乗りになっていた」と興奮気味に話した。

富山市では昨年6月23日、富山中央署奥田交番で稲泉健一警部補(当時46=殉職で警視に昇進)が刺殺されて拳銃を奪われ、直後に近くの小学校で警備員中村信一さん(当時68)が射殺される事件が発生している。池多駐在所と奥田交番は直線距離で約7キロ。近所の主婦は「知り合いと『警察が近くても安心できないね』と話していたのに、こんなに身近な所で」と声を震わせた。

池多駐在所から約600メートルの池多小学校では学童クラブなどで残っていた児童は保護者に迎えに来てもらう措置を取った。