将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(16)が30日、関西将棋会館で行われた第45期棋王戦予選8組の準々決勝で中村亮介六段(33)を破ってベスト4に進み、本戦トーナメントまであと2勝とした。連勝を今期自己最高の「10」とした。

藤井がいつものように前傾姿勢で集中力を高める。目の前には「ドレッドヘア」があった。18歳でプロ入りした中村はレゲエ歌手などに人気のヘアスタイルで対局場に現れた。対局後、「気合のドレッドヘア? そうだったんですけど、完敗でしたね」と認めた。 鋭い攻めで快勝した藤井は「自信のない展開にもなったけど、なんとかギリギリしのぐことができた」と振り返った。これで18年度の勝敗は37勝6敗、勝率ランキングは1位の8割6分0厘。中原誠16世名人(71=引退)が1967年度に記録した47勝8敗、8割5分4厘の年度最高勝率の51年ぶりの更新も視野に入ってきた。 18年度は残り約2カ月。歴代最高勝率を上回るには、負けられない戦いが続く。2敗すると、大記録更新は難しくなる。 2月5日には大一番が控える。2期連続昇級がかかる順位戦C級1組で近藤誠也五段と対戦する。同組では師匠の杉本昌隆七段と藤井の師弟2人が8戦全勝で首位。2月5日の対局でともに勝てば、師弟同時昇級となる。2月16日には連覇を狙う朝日杯将棋オープン戦準決勝がある。インフルエンザが全国的に猛威を振るうが、「一局一局に全力を尽くしたい。健康に留意してやっていけたら」。勝負の2月を迎える。【松浦隆司】