新潟市の私立新潟青陵高校の男子生徒らが同級生を集団で暴行している動画がSNSで拡散し、新潟県警少年課が捜査に乗り出したことが19日、分かった。

新潟青陵高校では事実関係を認め、退学者を含め同じクラスの1年生11人が現場に居合わせ、2人に対して暴行を加えていたと明らかにした。同校によると、被害生徒は膝や背中に痛みを訴え、近く県警に被害届を出すという。

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新潟青陵高校によると、動画は新潟市中央区の同校近くの海岸で15日夕に撮影された。制服姿の1年生の男子生徒が何回も蹴りを入れられ、木でたたかれたり、頭を押さえつけられたりする様子が写され、「靴からして陰キャ(陰気なキャラクター)」「もともと殴られたような顔をしている」と笑いながら交わされる音声が記録されている。

スマホで撮影され、インスタグラムにアップされた動画は拡散し、19日までに動画を投稿した男子生徒の名前が明かされ、暴行を加えた生徒の「すいません退学でした。調子乗ったらこうなるってゆうことがあらためて分かりました。今回は本当にすいませんでした」という謝罪コメントが流れる事態になっている。

羽田春喜校長によると、同校は17日朝、関係者からの連絡で動画を把握。被害生徒と連絡を取り、事実関係を確認した。被害に遭ったのは2人で、うち1人が集中的に暴行されていた。現場にいたのは被害者2人を含め11人で、全員が1年の同じクラスで、うち5人はすでに退学した男子だったという。

学校は18日、加害生徒からも事情を聴き、全校集会を開いた。羽田校長は「定期的にアンケートを取っているが、いじめやトラブルは把握していなかった。どうしてこういうことが起きたのか、分からないでいる。(1年で1つのクラスで)5人の退学者は多いが、特に問題があるクラスだったとは聞いていない。担任は非常にショックを受けている」と話している。

校長によると、19日は被害生徒、加害生徒とも登校しているという。詳細の把握を進めており、処分は行っていない。「退学でした」と謝罪コメントを出した生徒も退学処分にはしていないという。集中的に暴行を受けた生徒は近く県警に被害届を出す。県警少年課でも動画を確認し、19日、暴行容疑で捜査を始めた。