米朝会談で成果を出せなかったトランプ氏は会談に先立ち、足元の米国で追い込まれていた。

トランプ氏の顧問弁護士を務めた元腹心のマイケル・コーエン被告は27日、下院監視・政府改革委員会の公聴会で約7時間にわたり、トランプ氏の「悪事」を証言した。

不倫問題をめぐり自身の資金から女性に口止め料を支払った後、トランプ氏が分割払いで被告に補てんするなど、「選挙資金法令を破る犯罪計画」に深く関わったと指摘。「トランプ氏の違法行為を隠蔽(いんぺい)したことを恥じている。彼は人種差別主義者で詐欺師だ」とののしった。大統領就任後にトランプ氏や長男ジュニア氏がサインし、振り出した小切手のコピーなども提出、違法行為が家族ぐるみだったとも指摘した。

一方、ロシアがトランプ氏に肩入れしたとされるロシア疑惑に関し、トランプ氏が大統領選中、内部告発サイト「ウィキリークス」による民主党のメール暴露計画を事前に把握していたとも暴露。トランプ氏はハノイでの会見で、公聴会の生中継を一部視聴したと明かし「フェイクの公聴会を、この重要な時期に行うとは。来週でよかった。彼はうそをついている」と怒った。気が気ではなかったようだ。トランプ氏は関与を否定するが、今後議会で追及が強まりそうだ。