旧築地市場(東京都中央区)の跡地再開発をめぐり、小池百合子知事が17年6月に示した「築地は守る 豊洲は生かす」の方針が変わったと批判している都議会自民党や共産党は4日、都議会の経済・港湾委員会で、「詭弁(きべん)」「公約違反だ」と、小池氏の答弁内容を激しく追及した。

小池氏は「基本方針は何ら変わっていない」と反論する一方、「17年6月の基本方針でフリーズ(固まる)していては、市場、豊洲を生かす視点につながらない」とも発言。必ずしも当時の方針どおりではないとの認識も、にじませた。

自民の山崎一輝都議は、豊洲市場で約150人にアンケートをとり、小池氏の方針について聞いたところ、「変わった」が143人、「変わっていない」が8人だったと、パネルで指摘。「当然の結果だ」と述べた。17年6月の発表資料には、跡地を「食のテーマパーク」とする旨の記載があったが、今年1月に都が示した方針素案からは消えており、「(発表は)都議選の直前。中身が変わっているのに『方向性は変わっていない』というのは、詭弁(きべん)そのもの。公約違反だ」と批判した。

これに対し、小池氏は「アンケートは設問しだい。そちらの意図だ」と反論。「テーマパークという言葉を使うか使わないかは別として、方針を変えたわけではない」と述べた上で、「宝物を生かそうと、思いませんか。誤解を生んだことはあるかもしれないが、食については、築地が長年つちかった文化、ブランドだと何度も申し上げているじゃありませんか」と、いらだちながら答えた。

山崎氏は「『フリーズしない』ということは、(方針が)変わったということだ」と指摘。「言い訳はありますか」(山崎氏)「ございません」(小池氏)と、2人が言い合うような場面もあった。

一方、共産の畔上三和子都議は、「基本方針の基本とは、ぶれてはならないということだ。大きな方向性が変わっていないという言い訳は通用しない」と批判。小池氏が、その後の流れを時系列で説明を繰り返したことに「時系列で言うことは、方針転換のあとづけでしかない」と切り捨てた。

終了後、山崎氏は「都議選3日前の発表は、誰が見ても小池氏の公約だ。(変えたなら)大きな責任があり、しっかり追及したい」と述べた。共産党の大山とも子幹事長は「(当初の方針と)違ったなら違うと認めて謝罪し、その理由を説明すべきだ」と述べた。